肩こりと一緒に頭が痛いときは、まず作業を止めて首肩を休ませましょう。ただし、肩こりがあっても頭痛の原因が肩こりとは限りません。
特に突然の激しい頭痛、突然のしびれ、片側の手足に力が入らない、ろれつが回らないなどがある場合は、セルフケアではなく救急受診を優先してください。
肩こりと頭痛は一緒に起こりやすいため、「肩をほぐせばいいのかな」と考えがちです。でも大切なのは、肩だけを見るのではなく、頭痛の痛み方や一緒に起きている症状まで確認することです。
まずは一つだけ試してみるなら、画面から数分離れて、肩の力を抜くところから始めてみましょう。
肩こりで頭が痛いとき、まず何をすればいい?

肩こりと頭痛が同時に出たとき、まず試すなら、「作業を止める」「姿勢を変える」「首肩の力を抜く」の3つです。
パソコンやスマートフォンを長く見ていると、顔が前へ出たり、肩を持ち上げたままになったりしていることがあります。頭が重くなってきたら、いったん画面から離れてみてください。
最初にやることを整理すると、次のようになります。
- パソコンやスマートフォンを見るのをやめる
- 椅子から立ち、姿勢を変える
- 肩をゆっくり上げてから力を抜く
- 首肩のこわばりが気になるなら、心地よい範囲で休ませる
- 頭痛が起きた時間や痛み方を記録する
緊張型頭痛では、ストレスへの対処やリラクセーション、理学療法、頭痛体操なども対策として考えられています。
全部やろうとしなくて大丈夫です。
改善の第一歩として、まず数分だけ作業を中断する。
私は、肩を強く揉んだり難しいストレッチを始めたりする前に、首肩へ負担をかけていた状況そのものから一度離れることをおすすめします。
肩がカチカチになってから対処するより、「少し重くなってきたな」と感じた段階で休むほうが、日常には取り入れやすいからです。
なお、蒸しタオルや入浴などで温める場合は、あくまで首肩のこわばりを心地よく休ませるための方法として考えましょう。「頭痛なら温めればよい」という意味ではありません。
頭が痛いときに強く揉んでもいい?
肩がこると、つい「強く揉めばスッキリするかも」と思いますよね。
ただ、頭痛があるときに大切なのは、痛みを我慢して刺激を強くすることではありません。首を勢いよく回したり、痛いところを強く押したりして、かえってつらくなるようなら中止してください。
特に、いつもの肩こりとは違う頭痛がある場合は、セルフケアを追加するよりも「普段と違う症状がないか」を確認することを優先しましょう。
私はここを、セルフケアの入口の分かれ道だと考えています。
いつもの軽い首肩のこわばりなのか。それとも、これまでと違う頭痛なのか。
同じ「肩こり+頭痛」に見えても、まずそこを分けて考えるだけで、無理なセルフケアを避けやすくなります。
もう一つ意識したいのが、「肩こりを楽にすること」と「頭痛の原因を判断すること」は別だという点です。
肩が楽になったからといって、頭痛の原因まで肩こりだったと確認できるわけではありません。反対に、肩を休ませても頭痛が残るからといって、それだけで特定の病気と判断することもできません。
セルフケアは「診断の代わり」ではなく、普段と大きく違わない軽い不調を楽にするための一つの手段として考えておきましょう。
肩こりと緊張型頭痛はどう関係する?片頭痛との違いは?

緊張型頭痛では、頭を締めつけるような圧迫感が代表的です。ただし、肩こりがあるだけで緊張型頭痛とは判断できません。
緊張型頭痛では、頭を締めつけられるような痛みが特徴として知られています。頻度が少なく生活への支障がなければ治療を必要としない場合もありますが、頻度や重症度が増したり、日常生活が制限されたりする場合には治療が必要になることがあります。
一方、頭痛には片頭痛など別の一次性頭痛もあり、病気に伴って起こる二次性頭痛もあります。
一次性頭痛とは、片頭痛や緊張型頭痛など、頭痛そのものが主な症状となるものです。一方、二次性頭痛には、くも膜下出血や脳卒中など別の病気に伴って現れる頭痛があります。
代表的な違いを整理すると、次のようになります。
特徴 緊張型頭痛でみられる傾向 片頭痛でみられる傾向
痛み方 締めつける・圧迫される感じ ズキズキする拍動性の痛みが代表的
日常動作 動いても強く悪化しにくい 階段昇降などで悪化することがある
吐き気 典型的ではない 伴うことがある
光・音など 強い過敏症状は典型的ではない 光・音・においがつらくなることがある
片頭痛では、頭痛に加えて吐き気や光・音・においへの過敏、日常動作による悪化などがみられることがあります。
ただし、片頭痛でも両側が痛む人や、必ずしも典型的な「ズキズキ」だけではない人がいるため、この表だけで自己診断することはできません。
つまり、「肩がこっているから緊張型頭痛」「ズキズキしないから片頭痛ではない」と簡単には決められないということです。
ここは少しお節介ですが、覚えておいてほしいところです。
頭痛を何度も繰り返しているなら、肩こりだけを見るのではなく、痛み方や吐き気、光・音へのつらさ、起こる頻度なども一緒に確認してください。
「肩こりから頭痛がする」と決めつけないほうがいい理由
肩こりと頭痛が同じタイミングで起こると、私たちは自然に「肩こりが原因だ」と考えてしまいます。
ところが、同時に起きていることと、一方がもう一方の原因であることは同じではありません。
頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があり、肩こりという一つの症状だけでは頭痛の種類や原因を判断できません。
そのため、「肩がこっている」という一つの情報だけではなく、次のような情報を組み合わせて見ることが大切です。
- いつから痛いのか
- どんな痛みなのか
- どのくらい続くのか
- 吐き気はあるか
- 光や音がつらくないか
- 動くと悪化するか
- 以前と同じ頭痛か
健康情報を調べていると、「原因を一つに決める」と気持ちは少し楽になります。
でも頭痛については、早く名前をつけることより、いつもと違わないかを確認することのほうが大切だと私は考えています。
特に覚えておきたいのは、緊張型頭痛と片頭痛を「肩こりがあるか、ないか」だけで分けないことです。
検索すると症状のチェック項目がたくさん見つかりますが、実際の症状が教科書どおりにきれいに分かれるとは限りません。繰り返す頭痛では、自己診断よりも症状の特徴を記録して伝えられるようにすることが役立ちます。
なぜ肩こりと頭痛が同時に起こりやすい?セルフケアは4つ
首や肩の周辺には頭を支え、姿勢を保つための筋肉があります。
パソコンを見るために顔を前へ出した状態や、スマートフォンを低い位置で見続ける状態では、首肩へ負担がかかり続けることがあります。仕事に集中していると肩の力が抜けず、休憩そのものを忘れてしまう人もいるでしょう。
緊張型頭痛への対策では、ストレスへの対処やリラクセーション、理学療法なども選択肢として考えられています。
ここから分かるのは、肩だけを揉めばすべて解決するとは限らないということです。
肩こりの対策というと、つい「何をするか」に目が向きます。
でも実際には、長時間の作業や同じ姿勢など、何が首肩への負担を増やしているかを減らすことも立派なセルフケアです。
頭痛が軽く、普段と大きく違う症状がない場合にセルフケアを試すなら、次の4つ程度で十分です。
1.画面から離れて姿勢を変える
初めてなら、まずこれがおすすめです。
一度立って少し歩く、腕を下ろす、遠くを見るなど、短時間でも構いません。
「一日中きれいな姿勢を保とう」とすると、それ自体が大変です。無理なく続けるなら、同じ姿勢を固定し続けないことを意識するほうが取り入れやすいと思います。
姿勢は「正解を一日中キープするもの」というより、こまめに変えるものと考えたほうが気楽です。
デスクワーク中なら、飲み物を取りに行く、トイレに立つ、窓の外を見る。そんな小さな動きでも、同じ状態を延々と続けないきっかけになります。
大切なのは、「肩こりが完成してから休む」のではなく、重さやこわばりを感じ始めたところを休憩の合図にすることです。
頭痛が起きる前の段階で席を立つ習慣を作れれば、毎回つらくなってからセルフケアを始めるより生活に組み込みやすくなります。
2.首肩の力を抜く
肩をゆっくり持ち上げてから、ふっと力を抜いてみます。
首を勢いよく回したり、痛みを我慢して強く伸ばしたりする必要はありません。動かすことで頭痛や首の痛みが強くなる場合は中止してください。
緊張型頭痛に対する非薬物的な方法として、頭痛体操も紹介されています。
ポイントは、「たくさん動かせばよい」と考えないことです。
仕事の合間なら、肩を一度上げて抜くだけでも構いません。
セルフケアは、頑張った量を競うものではありません。終わったあとに少し楽に感じられる範囲で続けるほうが現実的です。
3.首肩のこわばりには心地よい方法を選ぶ
首肩のこわばりが気になるなら、入浴したり、熱すぎない蒸しタオルを首肩へ当てたりして、楽に感じる範囲で休ませる方法があります。
ただし、これは首肩を楽にするためのセルフケアです。原因が分からない頭痛そのものを「温めれば改善する」と考えないようにしてください。
熱いものを長時間同じ場所へ当て続けることも避けましょう。
「温めるか、冷やすか」で迷う方もいると思いますが、頭痛は種類によって特徴が異なります。
ですから、原因が分からない状態で「頭痛には必ず温める」と固定するより、まずは肩まわりを心地よく休ませる方法の一つ、と考えておくほうが安心です。
4.パソコン環境を少しだけ変える

普段使っているパソコンの前に座り、いつもの姿勢を一度確認してみてください。
画面を見るために首を前へ伸ばしていないか、キーボードを使うときに肩が上がっていないか、長時間ほとんど姿勢を変えていないかを見てみます。
完璧なデスク環境を作る必要はありません。
画面の位置を少し調整する。
休憩を一回増やす。
スマートフォンを少し高い位置で見る。
毎日続けるなら、このくらい小さな変更のほうが現実的です。
特に見落としやすいのが、「姿勢」そのものよりその姿勢で過ごしている時間です。
どれほど姿勢を整えても、長時間ほとんど動かなければ首肩がつらくなる人はいます。
そのため私は、「正しい姿勢にしなきゃ」と一日中意識するより、頭が重くなる前に姿勢をリセットするタイミングを作るほうをおすすめします。
たとえば「昼食前に一度立つ」「オンライン会議が終わったら肩を下ろす」など、普段の行動とセットにすると忘れにくくなります。
ここでのポイントは、環境改善を大がかりな模様替えにしないことです。
椅子や机をすべて買い替えなくても、「画面を見るために首が前へ出ていないか」「肩を上げた状態が続いていないか」「休憩を忘れていないか」という3点なら、今日から確認できます。
高価な健康グッズを増やす前に、毎日何時間も使っている環境を一度見る。これは地味ですが、繰り返す肩こりを考えるうえでは見逃したくない視点です。
肩こり頭痛を繰り返すなら何を見る?「痛くなる前」を記録しよう

ここが、私が肩こりと頭痛のセルフケアで特に大切だと考えているところです。
何度も頭痛を繰り返すなら、「痛くなった場所」だけではなく「痛くなるまでの時間」を見てみてください。
頭痛が起こった日時、痛み方、持続時間、吐き気や光・音・においへの過敏、薬の使用などを記録しておくと、自分の頭痛の傾向を整理できます。
こうした記録は、自分の状態を振り返るだけでなく、受診時に医師へ情報を伝えるうえでも役立ちます。
たとえば、
「夕方になると頭が重くなる」
という人なら、夕方の肩だけを見るのではありません。
朝からどのくらいパソコンを使っていたのか、休憩を取ったか、睡眠はどうだったか、頭痛と一緒に吐き気などがなかったか、といった条件も記録します。
記録する項目を増やしすぎると続きません。
まずは、「何時ごろ・どんな痛み・どれくらい続いたか・ほかの症状・薬を飲んだか」このくらいからで十分です。
これは「頭痛の原因を自分で診断するため」ではありません。
むしろ逆です。
私は、自分で原因を決めつけないために記録するという使い方が大切だと考えています。
たとえば「パソコンを長く使った日に必ず頭痛が起こる」と思っていた人でも、記録すると吐き気や光へのつらさを伴っていたり、休日にも頭痛が出ていたりするかもしれません。
そうなれば、「肩こりだから肩をほぐせばいい」と考え続けるより、一度医療機関へ相談する判断につながります。
一方、毎回長時間の作業後に首肩がつらくなっていることに気づけば、まず休憩を一回増やすといった小さな工夫を試せます。
医学情報を知る→自分の状態を記録する→一つだけ行動を変える。
私はこの順番のほうが、健康グッズやセルフケアを次々増やすより続けやすいと思っています。
頭痛日記は「原因探し」より「パターン探し」に使う
頭痛を記録し始めると、「犯人は睡眠不足だ」「やっぱり肩こりだ」と、一つの原因を見つけたくなるかもしれません。
ただ、頭痛は複数の条件が重なって起こることもあります。
だから私は、記録の目的を「原因を当てること」ではなく、自分に起きているパターンを医師にも伝えられる形にすることだと考えています。
たとえば1週間や数週間記録したときに、次のような傾向が見えてくるかもしれません。
- 午後に多い
- 長時間作業した日に多い
- 吐き気を伴う日がある
- 光がつらい日がある
- 以前より薬を使う日が増えている
これだけでも十分な情報です。
これは健康情報をいろいろ調べてきた中でも、かなり実用的だと感じる方法です。
新しい道具を買わなくても始められますし、セルフケアを続ける場合にも、医療機関へ相談する場合にも使えるからです。
さらに一歩進めるなら、「頭痛が起きた後」だけでなく「頭痛が始まる前」を短く書いておくのがおすすめです。
「会議が3時間続いた」「午前中ほとんど席を立たなかった」「休日なのに頭痛が出た」など、診断ではなく出来事として記録します。
肩こり頭痛では「痛い肩」に意識が集中しがちですが、実際の改善につながるヒントは、その数時間前の過ごし方に隠れていることがあります。
頭痛薬を使う日が増えている場合は?
もう一つ記録してほしいのが、頭痛薬を使った日です。
緊張型頭痛では、鎮痛薬を使いすぎることによって「薬剤の使用過多による頭痛」へ移行し、さらに頭痛が悪化することがあります。
一般向けの緊張型頭痛の解説では、鎮痛薬の使用を週1~2日程度にとどめる必要があるとされています。
また、もともと片頭痛や緊張型頭痛がある人が頭痛治療薬を過剰に使用すると、頭痛の頻度が増え、連日のように頭痛が起こることがあります。
そのため、
「以前より頭痛薬を飲む日が増えた」
「薬がないと仕事を続けにくい」
「薬が以前ほど効かない気がする」
と感じるなら、自己判断で薬を追加し続けるより医師や薬剤師へ相談してください。
市販薬でも、持病やほかに服用している薬によって注意点は異なります。
なお、「週1~2日」は緊張型頭痛に関する一般向け解説で示されている目安です。
薬剤の使用過多による頭痛の診断基準では、薬の種類などによって「1か月に10日以上」「1か月に15日以上」といった基準が使われます。
自己判断で数字だけを当てはめるのではなく、服薬日数そのものを記録して相談材料にするのが分かりやすいでしょう。
本記事では、2026年8月10日時点で公開されている「緊張型頭痛」「片頭痛の治療」「頭痛ダイアリーで頭痛を攻略」「薬剤の使用過多による頭痛」および『頭痛の診療ガイドライン2021』、「こんな時は迷わず119へ」の内容をもとに整理しています。
『頭痛の診療ガイドライン2021』も、頭痛について考える際の資料の一つです。
肩こりがあっても受診を優先する頭痛は?
突然の激しい頭痛や神経症状がある場合は、「肩こりのせいだろう」と様子を見ず、救急受診を優先してください。
大人で特に注意したい症状として、次のようなものがあります。
- 突然の激しい頭痛
- 支えなしで立てないほど急にふらつく
- 突然のしびれ
- 突然、片方の腕や足に力が入らなくなる
- ろれつが回りにくく、うまく話せない
こうした症状がある場合は、肩こり対策やストレッチを試してから判断する場面ではありません。
また、これまで経験したことのないひどい頭痛、急に起こって短時間でピークになる頭痛、発熱を伴う頭痛、手足の麻痺やしびれを伴う場合にも、至急受診する必要があります。
救急車を呼ぶほどではないと思っても、次のような変化があるなら医療機関への相談を検討してください。
- これまで経験したことのない頭痛
- 頭痛の頻度が増えてきた
- 以前より痛みが強くなった
- 頭痛で仕事や日常生活が制限される
- 頭痛薬を使う日が増えている
- セルフケアをしても繰り返す
緊張型頭痛でも、頭痛によって日常生活が制限される場合や、頻度・重症度が増している場合には治療が必要になることがあります。
救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合、地域によっては救急安心センター事業「#7119」で、受診や救急車利用について相談できます。
#7119では、実施地域で医師・看護師などの専門家へ電話で相談でき、緊急性や受診の必要性について助言を受けられます。利用できる地域や時間帯は地域によって異なるため、最新情報を確認してください。
セルフケアには、できることとできないことがあります。
肩を休ませることはできても、この記事だけで頭痛の種類や原因を診断することはできません。
「まず首肩を休ませる。でも頭痛の種類は決めつけない」
この二つをセットで覚えておくのがおすすめです。
私が「肩をほぐす前に確認」を大切にする理由
健康グッズやセルフケアについて調べていると、便利な方法はいくらでも見つかります。
温めるもの、ストレッチ用品、枕、マッサージ用品など、肩こり向けの商品もたくさんあります。
でも、頭痛が一緒にあるときだけは、私は「何を使うか」を最初に考えないようにしています。
普段と同じ頭痛か。突然ではないか。ほかの症状はないか。
まずここを確認してからでも、セルフケアは遅くありません。
特に「肩がこっているから大丈夫」という思い込みは、受診すべき頭痛を見過ごす理由になりかねません。
頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があることからも、肩こりという一つの症状だけで原因を判断しないことが重要だと私は考えます。
ここでの判断は、「肩こりがあるか」より「いつもの頭痛と同じか」を軸にすると整理しやすくなります。
普段から肩こりがある人ほど、新しく起きた頭痛まで「また肩こりだろう」と受け止めてしまう可能性があります。だからこそ、突然性や神経症状、発熱など、肩以外の変化を見ることが大切です。
肩こり頭痛を繰り返さないために何を変える?考察と今後の見方
肩こりと頭痛を何度も繰り返していると、「もっと効くストレッチはないかな」「いい枕を買ったほうがいいかな」と、対策を追加したくなるものです。
でも筆者としては、対策を増やす前に、頭痛が起きる前の生活を一度観察することが大切だと考えています。
理由はシンプルです。
肩がつらくなったあとだけケアしていると、その前に何時間同じ姿勢だったのか、休憩を取っていたのか、どんな頭痛が起きていたのかが見えにくいからです。
例えば「夕方に肩がこって頭が痛くなる」という場合でも、改善の候補は一つではありません。
午前中から画面を見続けているなら、昼前に一度休憩する。
肩を上げたままキーボードを打っているなら、机や椅子との位置関係を見直す。
スマートフォンを長時間低い位置で見ているなら、少し高い位置へ持ち上げる。
それでも頭痛を繰り返すなら、頭痛ダイアリーを持って医療機関へ相談する。
このように、「頭痛が出たら対処」から「頭痛が出るまでを観察」へ視点を少し移すだけでも、できることは変わってきます。
頭痛ダイアリーでは、日時、痛み方、持続時間、随伴症状、服薬などを記録できます。
私はここに、肩こり対策を続けるうえでのヒントがあると感じています。
セルフケアというと「何かをすること」に見えますが、実は一回休憩を増やす、同じ姿勢の時間を短くする、記録するといった小さな変更もセルフケアです。
そして、記録してみて「思っていた頭痛と違うかもしれない」と気づけたなら、それも立派な前進です。
自分で診断する必要はありません。
自分の状態を少しだけ分かりやすくして、必要なら専門家へ渡す。
そのくらいの距離感が、頭痛とは付き合いやすいのではないでしょうか。
「対処法を増やす」より「判断の順番を決める」
私が今回もっとも大切だと思うのは、肩こり頭痛に対するセルフケアの種類を増やすことではありません。
むしろ、頭痛が起きたときの判断の順番を決めておくことです。
「頭が痛い→すぐ揉む」ではなく、「普段と違う症状はないか→問題がなさそうなら作業を休む→繰り返すなら記録する→必要なら相談する」と考えると、セルフケアと受診の役割を分けやすくなります。
これは肩こり対策としても実用的です。
その日の頭痛を無理にゼロにしようとするのではなく、「何時ごろから肩が重くなったか」「その前に何をしていたか」を見ると、次の日に変えられる行動が見つかるかもしれません。
たとえば午後5時に頭が重くなるなら、午後5時に対処するだけではなく、午後3時に一度席を立ってみる。
私は、この「つらくなった時刻より少し前へセルフケアを移す」という考え方が、繰り返す肩こりでは取り入れやすいと思います。
もちろん、それで頭痛が改善するとは限りません。だからこそ記録を続け、頭痛が増える、強くなる、生活に支障が出るなどの変化があれば医療機関へ相談することが大切です。
健康のために毎日完璧な姿勢を保つ必要も、たくさんのセルフケアをこなす必要もありません。
改善の第一歩を、わかりやすく。
今日は「頭が重くなる前に一度席を立つ」。
まずは、そのくらいからで十分です。
まとめ
肩こりと一緒に頭を締めつけられるような痛みがある場合、緊張型頭痛などが関係していることがあります。
まず試すなら、パソコンやスマートフォンから離れて姿勢を変え、首肩を休ませることです。無理なストレッチを増やすより、一度立つ、肩の力を抜くといった小さな方法から始めてみてください。
首肩のこわばりが気になる場合は、入浴や熱すぎない蒸しタオルなどで心地よく休ませる方法もあります。ただし、「頭痛なら温めればよい」と決めつけないことが大切です。
そして、肩こりがあるだけでは緊張型頭痛とは判断できません。
頭痛を繰り返すなら、痛み方、続いた時間、吐き気や光・音へのつらさ、薬を飲んだ日などを記録してみましょう。こうした記録は、自分の頭痛の傾向を整理したり、受診時に状況を伝えたりするときにも役立ちます。
そして、突然の激しい頭痛、突然のしびれ、片側の手足の脱力、ろれつが回らないなどの症状がある場合はセルフケアより救急受診が優先です。
全部を変える必要はありません。
改善の第一歩として、今日は頭が重くなる前に一度だけ席を立ってみる。
そして繰り返すなら、「肩が痛い」という結果だけでなく、その前の時間まで少し記録してみる。
まずは一つだけ、続けやすいところから始めてみてください。
よくある質問
肩こりで頭が痛いときは温めてもいいですか?
首肩のこわばりが気になる場合に、入浴や熱すぎない蒸しタオルなどで首肩を心地よく休ませる方法はあります。
ただし、「頭痛なら温めればよい」という意味ではありません。突然の強い頭痛や普段と違う症状がある場合は、肩こりと決めつけず受診を優先してください。
緊張型頭痛と片頭痛はどう見分ければいいですか?
緊張型頭痛では締めつけるような痛みが代表的です。一方、片頭痛では拍動性の痛み、吐き気、光・音・においへの過敏、日常動作による悪化などがみられることがあります。
ただし例外もあり、症状だけで自己診断することはできません。繰り返す場合は頭痛ダイアリーをつけ、医療機関へ相談する際の情報として活用するとよいでしょう。
肩こりと頭痛が毎日のようにある場合はどうすればいいですか?
頭痛の頻度が増えている、生活に支障がある、以前より強くなっている、鎮痛薬を使う日が増えている場合は、セルフケアだけを続けず医療機関への相談を検討してください。
受診前には、頭痛が起きた時間、痛み方、続いた時間、吐き気や光・音へのつらさ、使用した薬を記録しておくと状況を整理しやすくなります。
肩こり頭痛は何科を受診すればいいですか?
頭痛を繰り返している場合は、脳神経内科、頭痛専門外来、脳神経外科などが相談先として考えられます。
「肩こりだから」と診療科を決めつけるより、頭痛そのものを繰り返していることを伝えて相談するとよいでしょう。
突然の激しい頭痛や、しびれ、脱力、ろれつが回らないといった症状がある場合は、通常の外来を待つのではなく救急受診を優先してください。
頭痛薬は毎日飲んでも大丈夫ですか?
自己判断で連日のように使い続けるのは避けましょう。
緊張型頭痛の一般向け解説では鎮痛薬を週1~2日程度にとどめる必要があるとされ、薬剤の使用過多による頭痛についても注意が必要です。
薬を使う日が増えた、以前より効きにくくなった、薬がないと日常生活を送りにくいと感じる場合は、服薬した日を記録したうえで医師や薬剤師へ相談してください。
肩こり頭痛があるときはストレッチしたほうがいいですか?
普段と大きく違わない軽い首肩のこわばりであれば、無理のない範囲で肩の力を抜いたり、姿勢を変えたりする方法があります。
ただし、痛みを我慢して強く伸ばしたり、首を勢いよく回したりする必要はありません。動かすことで頭痛や首の痛みが強くなるなら中止しましょう。
また、突然の激しい頭痛や神経症状などがある場合は、ストレッチを試すより受診を優先してください。
肩こり頭痛を繰り返さないために最初にできることは?
まずは「頭痛が起きてから何をするか」だけでなく、頭痛が起きる前に何をしていたかを確認することから始めてみてください。
長時間パソコンを使った、ほとんど席を立たなかった、夕方になると毎回重くなるなど、簡単な記録で構いません。
そのうえで「昼前に一度立つ」「会議後に肩の力を抜く」など、一つだけ行動を変えてみます。全部を一度に改善しようとしないことが、続けるコツです。
参考
- 日本頭痛学会「緊張型頭痛」
- 日本頭痛学会「片頭痛の治療」
- 日本頭痛学会「頭痛ダイアリーで頭痛を攻略」
- 日本頭痛学会「薬剤の使用過多による頭痛」
- 『頭痛の診療ガイドライン2021』
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 救急安心センター事業「#7119」

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