首こりと頭痛が同時に起こる場合、緊張型頭痛などが考えられます。改善の第一歩は、首を強く揉むことより、長時間同じ姿勢を続けないことです。
特に、デスクワークやスマートフォンの使用後に後頭部が重くなる人は、普段の姿勢や休憩の取り方を見直すことが役立つかもしれません。
ただし、首こりを伴う頭痛には片頭痛や別の病気による頭痛もあります。まずは痛みの特徴を確認し、自分に合った対策を一つずつ選んでいきましょう。
首こりによる頭痛とは?緊張型頭痛の特徴と原因

首こりを伴う頭痛で、まず知っておきたいのが緊張型頭痛です。
緊張型頭痛は、頭を締め付けられるような痛みや圧迫感が特徴で、首や肩のこりを伴うこともあります。
『頭痛診療ガイドライン2021』では、緊張型頭痛について、痛みの性質や強さ、日常動作との関係などをもとに診断基準が示されています。
代表的なのは、次のような特徴です。
- 頭の両側に起こることがある
- 圧迫される、締め付けられるように感じる
- ズキンズキンという拍動性ではないことが多い
- 痛みは軽度〜中等度
- 歩行や階段昇降などの日常動作では悪化しにくい
緊張型頭痛は30分〜7日間続くことがあり、圧迫感や締め付け感を伴う非拍動性の頭痛で、多くは両側性とされています。
たとえば、「頭にきつい帽子をかぶっている感じ」「後頭部から首にかけて重い」「頭全体をじわっと締め付けられる」といった感覚です。
肩や後頭部、頭部周辺の筋肉の緊張が関係する場合もあります。
ただし、ここで覚えておきたいのは、首がこっているから緊張型頭痛とは限らないということです。
片頭痛でも首や肩に不快感が出ることがありますし、実際の頭痛は「これは完全に緊張型」「これは完全に片頭痛」と自分できれいに分類できない場合があります。
首こりから後頭部が痛くなるのはなぜ?
首の後ろには、頭を支えたり、姿勢を保ったりするために働く筋肉があります。
パソコンやスマートフォンを使っている間も、これらの筋肉は頭の位置を保つために働いています。
長時間同じ姿勢が続くと、首や肩周辺の筋肉に負担がかかり、こりや不快感につながることがあります。
また、緊張型頭痛では、頭や首周辺の筋肉の圧痛だけでなく、痛みを感じる仕組みの変化なども関係すると考えられています。
つまり、首の筋肉が硬くなったことだけで、すべての頭痛を説明できるわけではありません。
首の後ろが重い、後頭部が締め付けられるといった症状があっても、原因を決めつけずに確認することが大切です。
緊張型頭痛と片頭痛はどう違う?
片頭痛では、動くことで頭痛が悪化したり、吐き気や光・音への過敏を伴ったりすることがあります。
おおまかな違いを整理すると、次のようになります。
確認したいポイント 緊張型頭痛 片頭痛
痛み方 締め付ける、圧迫される ズキズキすることがある
痛む場所 両側に起こることが多い 片側または両側
痛みの強さ 軽度〜中等度が中心 中等度〜強いことがある
日常動作 悪化しにくい 動くと悪化することがある
吐き気 基本的には目立ちにくい 伴うことがある
光・音への過敏 両方が強く気になることは通常少ない 過敏になることがある
これはあくまで特徴を整理したもので、自己診断のための表ではありません。
片頭痛でも必ずズキズキするとは限らず、緊張型頭痛と片頭痛の両方を経験する人もいます。
「首が重いから緊張型頭痛だろう」と決めつけず、いつもの頭痛と違う点がないかも一緒に見てください。
特に確認したいのは、次の5つです。
- どこが痛むのか
- 締め付ける痛みか、ズキズキする痛みか
- 動いたときに悪化するか
- 吐き気や光・音への敏感さがあるか
- どのくらいの頻度で頭痛が起こるか
緊張型頭痛の仕組みも、単純に「首の血流が悪いから」と一つの原因だけで説明できるものではありません。
首・肩周辺の筋肉の緊張、長時間続く姿勢、精神的なストレスなど、複数の要素が関係すると考えられています。
だからこそ、首こりと頭痛が気になるときに、いきなり「どこを揉めばいいのか」を探す必要はありません。
まず確認したいのは、首そのものよりも、一日の中で首にどんな負担が続いているかです。
なぜデスクワークやスマホで首こり・頭痛が起こりやすい?

パソコンやスマートフォンを長く使う人は、頭痛が起きた瞬間だけではなく、その数時間前の姿勢を振り返ってみてください。
パソコン作業などで長時間同じ姿勢を続けると、首や肩周辺の筋肉の緊張が高まり、緊張型頭痛が起こりやすくなる場合があります。
画面を見るために頭が前へ出たり、スマートフォンを見るために長くうつむいたりすると、首や肩周辺は同じ状態を保つことになります。
ここでポイントになるのは、一瞬だけ姿勢が崩れることではありません。
ほとんど姿勢を変えないまま、長時間過ごしていることです。
午前中は平気だったのに、夕方になると首が重くなり、そのまま後頭部までつらくなる。
そんな日は午後を振り返ってみると、「パソコンに集中してほとんど動いていなかった」「休憩時間にもスマートフォンを見ていた」ということがあるかもしれません。
デスクワークで首や肩に負担がかかる理由
頭は首によって支えられています。
頭が身体の前方に出た状態が長く続くと、その姿勢を保つために首や肩周辺の筋肉が働き続けることになります。
たとえば、こんな作業環境はありませんか?
- ノートパソコンの画面を長時間見下ろしている
- 机が高く、肩をすくめた状態でキーボードを使っている
- 椅子に浅く座り、顔だけを画面に近づけている
- 画面の文字が小さく、無意識に前かがみになっている
- 集中すると何時間も席を立たない
こうした状態が必ず頭痛を引き起こすわけではありませんが、首や肩への負担を考える手がかりになります。
特に見落としやすいのが、画面の見やすさです。
文字が小さくて顔を近づけているなら、姿勢だけを意識するより、文字を大きくしたほうが楽になるかもしれません。
身体の使い方だけでなく、身体を無理に使わなくても済む環境を整えることも大切です。
スマホ首と緊張型頭痛には関係がある?
スマートフォンを長時間見下ろす姿勢は、一般に「スマホ首」と呼ばれることがあります。
ただし、スマホ首は頭痛の原因を確定する医学的な診断名ではありません。
スマートフォンを使うこと自体が悪いのではなく、うつむいた姿勢が長く続いたり、休憩が少なかったりすることが負担につながる場合があります。
たとえば、通勤中にスマートフォンを見て、仕事中はパソコン、帰宅後も動画を見続ける。
このような生活では、本人が思っている以上に首を動かす機会が少なくなっているかもしれません。
スマートフォンを使うときは、画面を少し高い位置に持ち上げるだけでも、うつむく角度を小さくできます。
ただし、今度は腕や肩に力が入りすぎないように、肘を支えるなどの工夫も考えてみてください。
「悪い姿勢」だけを犯人にしない
私自身、首こり対策を調べていて大切だと感じるのは、良い姿勢を探すだけでなく、同じ姿勢の滞在時間を見ることです。
「正しい姿勢を一日中維持しなければ」と考える必要はありません。
むしろ完璧な姿勢を目指すより、同じ姿勢に固定される時間を短くすることのほうが、毎日の生活には取り入れやすいと思います。
たとえば、背筋をきれいに伸ばして座っていても、何時間もほとんど動かなければ身体は疲れます。
反対に、多少姿勢が変わっても、ときどき立ったり、肩の力を抜いたり、視線を変えたりできれば、同じ場所への負担を固定しにくくなります。
「正しい姿勢を守る」というより、姿勢を一つに固めないと考えてみると、少し気が楽になりますよ。
まず試すなら、一つだけで十分です。
- パソコン画面を極端に見下ろさない位置へ調整する
- スマートフォンを今より少し高い位置で見る
- 作業が一区切りしたら一度立つ
- 肩が上がっていることに気づいたら力を抜く
- 長時間作業では、ときどき座る位置や姿勢を変える
- 休憩時間だけでも画面から目を離す
特に始めやすいのは、スマートフォンを見る位置を少し上げることです。
新しい道具を買わなくても、今日からできます。
「姿勢改善」と聞くと大がかりに感じますが、改善の第一歩はこのくらい小さくて大丈夫です。
むしろ小さな変更だからこそ、明日も続けやすくなります。
首こりを伴う頭痛には何をする?頭痛体操とセルフケア

首こりを伴う頭痛のセルフケアでは、長時間同じ姿勢を続けないことと、首や肩周辺を無理なく動かすことが取り入れやすい対策です。
姿勢の見直しと一緒に取り入れたいのが、首や肩周辺を長時間固めっぱなしにしないための軽い運動です。
頭痛のセルフケアとしては「頭痛体操」が紹介されており、首や肩周辺を動かす体操などがあります。
ここで大切なのは、頭痛対策だからといって首を勢いよくグルグル回す必要はないことです。
頭痛体操でも、首を軸にして肩や腕を動かす方法などが紹介されており、首そのものを無理に大きく振り回す方法ではありません。
首こり頭痛のセルフケアは何から始める?
最初は、特別な運動を覚える必要はありません。
毎日無理なく続けるなら、次のような方法から始めてみましょう。
- 作業の区切りで一度立つ
- 肩や腕をゆっくり動かす
- 同じ姿勢が続いたら少し歩く
この程度から始めても構いません。
「毎日30分ストレッチする」と決めると、忙しい日はなかなか続きませんよね。
それよりも、「飲み物を取りに行くついでに立つ」「仕事が一区切りしたら肩を動かす」というように、すでにある行動と組み合わせるほうが生活に定着させやすくなります。
たとえば、パソコン作業中なら、次のような流れも考えられます。
1. 作業をいったん中断する
2. 椅子から立ち上がる
3. 肩をすくめて、ゆっくり力を抜く
4. 肩や腕を痛みのない範囲で動かす
5. 少し歩いてから作業に戻る
目的は、筋肉を強く伸ばすことではありません。
同じ姿勢を続けていた身体に、別の動きを取り入れることです。
頭痛体操についても、正しい方法を確認し、症状に合った範囲で取り入れることが大切です。
片頭痛の発作中や、動くことで頭痛が悪化しているときには、無理に運動しないでください。
首を強く揉めば早く楽になるとは限らない
首がつらいと、つい強く揉んだり、思いきり伸ばしたりしたくなるかもしれません。
でも、まず試すなら強く刺激することより、固まった状態をいったんほどくように優しく動くことからで十分です。
「効かせなければ」と考えて、痛みを我慢して強く伸ばしたり、勢いをつけて首を動かしたりする必要はありません。
セルフケアは、刺激の強さを競うものではないからです。
特に首には重要な神経や血管が通っています。
強い力を加えたり、急激にひねったりする行為は避けましょう。
作業中なら、いったん手を止めて立つ。肩をゆっくり動かす。少し歩いて戻ってくる。
それだけでも「同じ状態を続けない」という目的は果たせます。
セルフケア中に強い痛み、しびれ、めまいなど、普段とは違う症状が現れた場合は中止してください。
そして、首を動かすこと自体で症状が強くなる場合も、「もっと伸ばせば楽になるはず」と無理をしないことが大切です。
セルフケアは我慢大会ではありません。
やった後に少し身体が楽に感じられるくらいを目安に、自分のペースで取り入れてみてください。
首こり頭痛を予防する休憩の取り方
首こりと頭痛が気になる人にとって、休憩は単に仕事を中断する時間ではありません。
同じ姿勢を続けていた身体を動かし、負担のかかり方を変える機会でもあります。
ここで意識したいのは、休憩中の過ごし方です。
パソコン作業を終えて休憩に入っても、そのままスマートフォンを見続けていたら、首の姿勢はほとんど変わらないかもしれません。
そんなときは、飲み物を取りに行く、窓の外を見る、少し歩くなど、画面から離れる行動を選んでみましょう。
何分ごとに休憩すれば必ず頭痛を予防できる、という決まった方法があるわけではありません。
大切なのは、自分が長時間動かなくなる場面を見つけ、無理なく中断できるタイミングを作ることです。
首こり頭痛は温めてもいい?睡眠・食いしばり・ストレスも確認
首や肩がつらいと、「温めればいいのかな」と迷うことがあります。
緊張型頭痛では、リラクセーションや理学療法、頭痛体操などが対策として紹介されています。
そのため、以前から同じような首肩のこりがあり、温めると心地よく感じる場合は、入浴などを生活の中で利用することも一つの方法です。
ただし、「頭痛なら温める」と決めてしまうのはおすすめしません。
片頭痛など、緊張型頭痛とは特徴や対処が異なる頭痛もあるからです。
特に、いつもの首こりとは違う頭痛が出ているときは、「首がこっているから温めよう」と対処を決める前に、頭痛そのものの特徴を確認してください。
首こり頭痛は温める?冷やす?
緊張型頭痛が考えられ、首や肩の筋肉のこりが気になる場合には、心地よい温かさでリラックスする方法が選択肢になります。
たとえば、普段の入浴で首や肩の力を抜いたり、温かいタオルを当てたりする方法です。
ただし、熱すぎるお湯やタオルはやけどにつながるため、無理のない温度にしてください。
一方、片頭痛では、冷たいタオルなどを心地よく感じる人もいます。
とはいえ、温めるか冷やすかだけで頭痛の種類を判断することはできません。
また、温熱や冷却だけで頭痛の原因そのものを取り除けるとは限りません。
いつもの頭痛かどうかを確認し、心地よい方法を無理のない範囲で選ぶことが大切です。
朝から首こりと頭痛があるなら睡眠も振り返る
デスクワーク以外にも確認したいことがあります。
一つは睡眠中の姿勢です。
朝起きた時点ですでに首がつらいなら、昼間の作業だけではなく、寝ている時間も振り返ってみましょう。
ただし、「首こりなら低い枕」「この形なら頭痛が改善する」と一律に決めることはできません。
体格や普段の寝姿勢には個人差があります。
まずは新しい枕を買う前に、起床したときに首が強く曲がった感覚がないか、寝返りが極端にしにくくないか、朝だけ症状が強くないかなどを確認するくらいからで十分です。
さらに、「夜はそれほどつらくなかったのに、朝になると毎回首が重い」といった時間帯の傾向も手がかりになります。
睡眠時間が短い日や、寝つきが悪かった日の頭痛についても、あわせて振り返ってみるとよいでしょう。
ただし、朝の頭痛には睡眠時無呼吸症候群など、寝姿勢以外の要因が関係する場合もあります。
朝の頭痛が繰り返される、いびきや日中の強い眠気を伴うといった場合は、医療機関で相談することも考えてください。
「首こりにはこの枕」と商品を増やすより、自分の場合はいつつらくなるのかを先に整理したほうが、必要な対策を選びやすくなります。
首だけでなく顎に力が入っていないか確認する
もう一つは、顎まわりの力みです。
顎関節周辺のトラブルでは、顎・耳・こめかみ周辺の痛みや頭痛を伴う場合があります。
仕事に集中しているとき、ふと気づくと歯を強く合わせている。
そんな場合は、首や肩だけではなく、顎まで力んでいないかという視点も持っておくとよいでしょう。
上下の歯は、食事や飲み込む動作などを除けば、普段は軽く離れている状態が自然です。
作業中に歯を噛み締めていることに気づいたら、顎の力をそっと抜いてみてください。
ただし、顎の痛みや口の開けにくさが続く場合は、顎関節の問題なども考えられるため、歯科などへの相談が必要になることがあります。
「首がこる→首を揉む」という一本道で考えず、身体のどこに力が入り続けているのかを探してみるイメージです。
忙しい日は肩が上がったままになっていないか
精神的なストレスも無視できません。
緊張や忙しさが続くと、知らないうちに肩が上がったり、身体に力が入り続けたりすることがあります。
緊張型頭痛の管理でも、ストレスへの対応やリラクセーションなどが扱われています。
仕事の締め切りが近い日や、人と接する機会が多かった日などは、身体の力みが強くなっていないか確認してみてください。
ここで大切なのは、ストレスを完全になくそうとしないことです。
忙しい生活の中で、すべてのストレスを避けるのは難しいものです。
それよりも、緊張していることに気づいたときに、肩の力を抜く、ゆっくり呼吸する、少し席を離れるといった行動を取り入れるほうが現実的かもしれません。
つまり、首こりを伴う頭痛では、姿勢・動く量・睡眠・顎の力み・ストレスを一度に全部直す必要はありませんが、首だけに原因を求めすぎないことが大切です。
全部を改善しようとすると、それ自体が新しい負担になります。
今日は姿勢、明日は休憩の取り方というくらいで十分ですよ。
首こりと頭痛を改善するなら何から始める?まず「前の行動」を記録
では、実際に何から始めればいいのでしょうか。
筆者なら、ストレッチ用品や枕を買う前に、「頭痛が起こった時間」と「その前に何をしていたか」を記録します。
これは医学的な診断方法を提案しているのではなく、日常の負担を整理するための実践的な方法です。
本格的な日記を作る必要はありません。
たとえば、
「18時ごろ、後頭部が重い。午後はPC作業が長かった」
「朝から首が重い。睡眠時間が短かった」
「忙しい日に頭痛。夕方まで肩に力が入っていた」
という一行程度で構いません。
できれば「頭痛が起こったか」だけではなく、痛み方やその日の状況も少し残しておくと、自分の傾向を振り返りやすくなります。
記録するなら、次のような項目があります。
- 頭痛が始まった時間
- どこが痛んだか
- 締め付ける感じか、ズキズキする感じか
- その前に何をしていたか
- 吐き気や光・音のつらさがあったか
- 睡眠の状態
- 長時間のパソコンやスマートフォン使用があったか
- 薬を使った場合はそのことも記録する
毎回全部を書く必要はありません。
スマートフォンのメモに一言だけでも大丈夫です。
数回記録すると、「夕方に多い」「長時間パソコンを使った日に出やすい」「朝から首がつらい」といった、自分なりの傾向が見えることがあります。
ここが、首をただ揉むだけの対策との大きな違いです。
症状の後始末だけではなく、負担が増えた時間を探せるようになります。
夕方に起こりやすいなら、午後の作業環境を確認する。
スマートフォンを長く使った日に起こりやすいなら、見る位置や休憩を変えてみる。
朝からつらいなら、寝姿勢を振り返る。
忙しい日に増えるなら、肩や顎の力みに気づく回数を増やしてみる。
こうして一つずつ試したほうが、「首こりに良さそう」と聞いた方法を片っ端から増やすより、自分に合う対策を見つけやすくなります。
頭痛が起きる時間帯から何が分かる?
頭痛が起こる時間帯だけで、原因や病名を特定することはできません。
ただし、生活習慣との関係を考える手がかりにはなります。
頭痛が起こりやすい場面 振り返りたいこと 試せる小さな工夫
朝起きたとき 睡眠時間、寝姿勢、枕の状態 睡眠と症状を記録する
午後から夕方 長時間のPC作業、休憩不足 作業の区切りで立つ
スマホ使用後 うつむく姿勢、使用時間 画面の位置を見直す
忙しい日 肩や顎の力み、緊張 意識して力を抜く
休日にも繰り返す 頭痛の頻度、睡眠の変化 頭痛日記をつけて相談する
この表は原因を診断するものではなく、生活の中で確認できることを整理したものです。
頭痛が繰り返される場合は、時間帯に関係なく医療機関で相談してください。
「セルフケアを足す」より「負担を一つ減らす」
個人的には、首こり対策はセルフケアの足し算より、負担の発生源を一つ減らすことを先に考えたいと思っています。
毎晩10分ストレッチをしていても、日中8時間ほとんど姿勢を変えない状態が続いているなら、まず作業時間の過ごし方を少し変えることにも意味があると考えるからです。
これは、穴の開いたバケツに水を足し続けるのではなく、まず穴を一つふさいでみるようなものです。
セルフケアを増やす前に、「そもそも何でこんなに疲れているのだろう」と一度振り返ってみてください。
完璧な姿勢を一日中守る必要もありません。
気づいたら動く。
肩に力が入っていたら抜く。
休憩のときは画面から少し離れる。
そのくらいからで十分です。
改善の第一歩は、何かをたくさん始めることではなく、負担を一つ減らすことでも作れます。
記録したら「一度に一つだけ」変えてみる
記録のもう一つの利点は、対策を試した後の変化を比べやすくなることです。
たとえば「スマートフォンを見る位置を少し高くする」と決めたら、まずそれだけを数日意識してみます。
同時に枕を替え、ストレッチを始め、入浴時間を変え、デスク環境まで全部変えてしまうと、何が自分に合っていたのか分かりにくくなります。
これは健康情報を試すときに意外と見落としやすいところです。
対策を増やすほど改善しやすいとは限らず、自分に影響しているものを見つけにくくなることもあります。
まず一つ変える。しばらく様子を見る。
変化が分かりにくければ、次の一つを試す。
セルフケアカフェで飲み物を一杯ずつ選ぶように、その日の自分に必要そうなものを一つ選ぶくらいでいいのだと思います。
首こり頭痛の改善を振り返る3つのポイント
対策を試したら、痛みが完全になくなったかどうかだけでなく、次の3つも確認してみましょう。
- 頭痛が起こる日数に変化があったか
- 頭痛が起きても、以前より日常生活を続けやすいか
- 首や肩の負担を感じる時間が変わったか
たとえば、頭痛の回数は変わらなくても、夕方に感じていた首の重さが少し気にならなくなることがあるかもしれません。
反対に、生活習慣を変えても頭痛が続いたり、悪化したりする場合は、別の原因を考える必要があります。
セルフケアの記録は、改善を確認するためだけでなく、医療機関に相談する判断材料にもなります。
一人で原因を探し続けるためのものではない、という点も覚えておきたいですね。
首こり頭痛で病院を受診したほうがいいのはどんなとき?
首こりと一緒に頭痛があっても、すべてをセルフケアだけで様子を見る必要はありません。
記録をしても頭痛を繰り返す場合や、以前より頻度・程度が増している場合、日常生活に支障が出ている場合は、セルフケアを追加し続けるのではなく医療機関への相談も選択肢にしてください。
また、突然起こった非常に強い頭痛など、いつもの頭痛とは明らかに違う場合は別です。
突然の激しい頭痛、突然の片側の手足のしびれや力が入らない状態、ろれつが回りにくい状態などは、緊急性を考える必要があります。
特に次のような場合は、首こりのセルフケアを優先しないでください。
- 突然の激しい頭痛
- 突然、片側の腕や足に力が入らない
- 顔半分が動きにくい、しびれる
- ろれつが回らない、うまく話せない
- 支えなしでは立てないほど急にふらつく
- 意識の状態がおかしい
- いつもの頭痛とは明らかに様子が違う
こうした症状がある場合は、119番への連絡など、速やかな救急対応が必要です。
また、発熱と強い首の硬さを伴う頭痛や、頭を打った後の頭痛なども、早急な診察が必要になることがあります。
頭痛には緊張型頭痛や片頭痛のような一次性頭痛だけでなく、ほかの病気に伴って起こる二次性頭痛もあります。
「首がこっているから、いつもの頭痛だろう」と決めつけないことが、安全にセルフケアを続けるためにも大切です。
頭痛薬を使う回数が増えているときも相談を
もう一つ見落としたくないのが、頭痛薬を使う頻度です。
頭痛が頻繁になると、「痛くなったら薬を飲めばいい」と回数が増えてしまうことがあります。
しかし、鎮痛薬などを頻繁に使い続けることで、かえって頭痛が慢性化する薬剤の使用過多による頭痛が問題になる場合があります。
薬剤の種類によっては月10日以上、一般的な単一成分の鎮痛薬では月15日以上の使用が3か月を超えて続くことなどが、薬剤の使用過多による頭痛の診断で考慮されます。
ただし、これらの数字は薬を安全に使用できる上限を示すものではなく、頭痛の日数なども含めて診断されます。
これは「薬を飲んではいけない」という意味ではありません。
大事なのは、以前より薬を使う日が増えてきたら、その回数も頭痛の情報として記録することです。
市販薬であっても、用法・用量を守ることが必要です。
「最近、頭痛の日も薬の日も増えている」と感じたら、自己判断で対策を増やし続けず、医療機関で相談してください。
首こり頭痛は何科に相談する?
頭痛を繰り返している場合には、脳神経内科・脳神経外科・頭痛外来など、頭痛を診療している医療機関への相談が選択肢になります。
「首がつらいのだから首だけ診てもらえばいい」とは限りません。
頭痛が主な困りごとであれば、頭痛そのものの特徴を含めて相談することが大切です。
その際、先ほどの簡単な記録が役立ちます。
「いつから」「どのくらいの頻度で」「どんな痛みがあり」「何をしているときに起こりやすいか」を整理しておけば、経過を伝えやすくなります。
首の痛みが中心で、腕のしびれや動かしにくさなどを伴う場合には、整形外科での評価が必要になることもあります。
どこに相談すればよいか迷ったときは、まずかかりつけ医に相談する方法もあります。
首こり頭痛が毎日続く場合は?
毎日のように頭痛が続く場合は、単なる疲れや首こりだけと決めつけないことが大切です。
緊張型頭痛には、頭痛が起こる頻度によって、反復性と慢性の分類があります。
慢性緊張型頭痛では、頭痛が月15日以上、3か月を超えて続くことなどが診断基準に含まれます。
ただし、毎日頭痛があるからといって、必ず慢性緊張型頭痛というわけではありません。
片頭痛の慢性化や薬剤の使用過多による頭痛など、ほかの可能性も考える必要があります。
毎日の頭痛を「首こり体質だから仕方ない」と我慢しないことが大切です。
考察|首こり頭痛は「痛い場所」より「痛くなるまで」を見る
首が痛いと、どうしても首そのものに意識が向きます。
そのため、「どこを揉む?」「何分ストレッチする?」「どの枕を買う?」と、症状が出た後の対策を探したくなります。
けれども筆者としては、首こりを伴う頭痛で一度見直してほしいのは、痛くなった場所より、痛くなるまでの数時間です。
夕方に毎回つらくなるなら、夕方の首だけを見るのではなく、午前から午後にどう過ごしていたのかを見る。
朝につらいなら、起きた瞬間だけでなく、睡眠時間や寝姿勢にも目を向ける。
忙しい日に強くなるなら、仕事量だけではなく、肩を上げたまま作業していなかったか、顎に力が入っていなかったかも振り返る。
この視点を持つと、セルフケアの選び方が少し変わります。
健康情報を調べていると、「これをすれば首こりに良い」「この運動がおすすめ」という方法はいくらでも見つかります。
でも、本当に大切なのは対策の数ではありません。
自分の生活のどこに負担が集中しているのかを見つけ、それに合った対策を一つ選ぶことだと私は考えています。
毎日ストレッチを10種類する人より、「午後3時になったら一度立つ」を続けられる人のほうが、その人の生活には合っているかもしれません。
高価な枕を探すより、「朝だけ首が痛いのか」を数日記録するほうが先かもしれません。
首を念入りに揉むより、スマートフォンを10センチ高い位置で見るほうが、その人には重要かもしれません。
答えは一つではありません。
だからこそ、最初から完璧な方法を探さなくて大丈夫です。
まずは一つ試して、変化を見る。
合わなければ別の方法に変える。
こうして自分の生活に合わせてセルフケアを調整していくほうが、「健康のために頑張らなければ」と自分を追い込まずに済みます。
首こり対策を「症状が出てからするもの」にしない
もう一つ、筆者が大切だと考えているのが、つらくなってからだけ対策する発想から少し離れることです。
夕方になると首こりと頭痛が起こりやすい人なら、夕方に首を揉むだけでなく、その前の午後に一度立ってみる。
長時間のスマートフォン使用後につらくなりやすいなら、つらくなってから休むのではなく、途中で画面から離れる時間を作ってみる。
つまり、「頭痛→対策」ではなく、「負担が続く→小さく中断する→また生活に戻る」という流れです。
これは特別な健康法ではありません。
だからこそ、毎日の暮らしに入れやすい方法だと思います。
首こりと頭痛の関係は人によって違う
もう一つ考えておきたいのは、首こりと頭痛の関係が、必ずしも一方向ではないことです。
首や肩への負担が頭痛に関係する場合もあれば、片頭痛などの頭痛に伴って首のこりを感じる場合もあります。
つまり、「首がこるから頭が痛い」と思っていても、実際には頭痛の症状として首がつらくなっている可能性もあるわけです。
ここは、セルフケアを考えるうえで見落としたくないポイントだと感じています。
首のケアを続けても頭痛が改善しない場合、努力が足りないのではなく、そもそも頭痛の種類や原因に合っていないのかもしれません。
そんなときは、セルフケアを増やすより、頭痛そのものを診てもらうほうが適切な場合があります。
首こりと頭痛が同時にあることと、首こりが頭痛の原因であることは同じではありません。
この違いを知っておくだけでも、必要以上に首を揉んだり、合わない対策を続けたりすることを避けやすくなると思います。
目指したいのは「頭痛対策を頑張る生活」ではない
健康情報を調べていると、やるべきことがどんどん増えてしまうことがあります。
姿勢を正して、ストレッチをして、枕を替えて、睡眠時間を整えて、ストレスも減らして……。
どれも大切そうに見えますが、全部を一度に始めるのは大変ですよね。
私が大切にしたいのは、健康のために新しい仕事を増やすような生活ではありません。
普段の暮らしを少し変えるだけで、身体への負担を減らせる方法を探すことです。
首こりと頭痛の改善で目指したいのは、健康法を増やすことではありません。
今より少し、首や頭が楽に過ごせる時間を増やすこと。
そのための最初の一歩なら、小さくて十分です。
もちろん、症状が続く場合には医療機関で適切な診断や治療を受けることも大切です。
セルフケアと医療は、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。
自分でできることを無理なく続けながら、必要なときには専門家の力を借りる。
そんな柔軟な考え方が、長く快適に暮らすためには大切なのではないでしょうか。
まとめ|首こりと頭痛は「揉む」より負担を一つ減らすところから
首こりを伴い、頭を締め付けられるような痛みがある場合には、緊張型頭痛が考えられます。
ただし、首こりがあるだけで緊張型頭痛と判断することはできません。片頭痛や二次性頭痛などもあるため、痛み方や吐き気、動いたときの変化など頭痛全体の特徴を見る必要があります。
まず試すなら、首を強く揉むことより、パソコンやスマートフォンで同じ姿勢が続いている時間を少し短くしてみてください。
画面を見る位置を変える。
作業の区切りで立つ。
肩や腕を軽く動かす。
これくらいで十分です。
さらに筆者の実践提案としておすすめしたいのが、「頭痛が起きた時間+その前にしていたこと」を一行だけ残すことです。
首こり対策を増やす前に、自分の生活のどこで負担が増えているのかを見つける。
そうすれば、必要のない健康法を次々と増やさず、自分に合いそうな改善の第一歩を選びやすくなります。
そして、頭痛の頻度や強さが増えている、薬を使う日が増えている、これまでとは違う症状がある場合は、無理にセルフケアだけで解決しようとしないでください。
突然の激しい頭痛や麻痺、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、速やかな救急対応が必要です。
全部やろうとしなくて大丈夫です。
まずは一つだけ。
今日パソコンやスマートフォンを使うときに、「ずっと同じ姿勢になっていないかな」と気づくところから始めてみてください。
よくある質問
首こりを伴う頭痛はどんな痛みですか?
緊張型頭痛では、両側に起こる圧迫感や締め付け感、軽度〜中等度の痛み、日常動作では悪化しにくいことなどが代表的な特徴です。30分〜7日間続く場合もあります。
ただし、首こりがあっても片頭痛など別の頭痛の場合があります。首こりだけで頭痛の種類を自己判断しないことが大切です。
首こりから後頭部が痛くなることはありますか?
首や肩周辺の筋肉の緊張が、後頭部の痛みや重さに関係する場合があります。
ただし、後頭部の痛みにはさまざまな原因があります。突然の激しい痛みや、普段と異なる症状がある場合は、首こりによるものと決めつけないでください。
首こりと頭痛にはストレッチをしたほうがいいですか?
頭痛のセルフケアとして頭痛体操が紹介されており、首を勢いよく回すのではなく、肩や腕などを動かす内容も含まれています。
初めてなら、作業の区切りで立つ、肩や腕をゆっくり動かすなど、無理なく続けられる方法から始めてください。
動くことで頭痛が悪化する場合や、しびれ・めまいなどが出る場合は中止しましょう。
首こり頭痛は温めても大丈夫ですか?
以前からある首肩のこりで、入浴などで温めることが心地よい場合には、リラックスする方法の一つとして取り入れる選択肢があります。
ただし、すべての頭痛に同じ対処が適しているわけではありません。片頭痛など別の頭痛もあるため、「首がこっているから温めればいい」と決めつけず、普段の頭痛との違いも確認しましょう。
首こり頭痛は何科を受診すればいいですか?
頭痛を繰り返す、以前より頻度や強さが増えた、日常生活に支障が出るといった場合は、頭痛を診療している脳神経内科・脳神経外科・頭痛外来などへの相談が選択肢になります。
一方、突然の激しい頭痛や片側の手足の麻痺・脱力、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、通常のセルフケアより緊急対応を優先してください。
首こり頭痛で首を揉んでも大丈夫ですか?
首がつらいと揉みたくなりますが、「強く揉めば早く改善する」とは考えないほうがよいでしょう。
まずは同じ姿勢を中断する、立つ、肩や腕を優しく動かすなど、強い刺激を必要としない方法から試してみてください。
動かしたときに強い痛み、しびれ、めまいなどが出る場合は中止します。
頭痛が起きたときは何を記録すればいいですか?
まずは「いつ頭痛が起きたか」「その前に何をしていたか」の2つだけでも十分です。
余裕があれば、痛む場所、締め付けるのかズキズキするのか、吐き気や光・音への過敏、睡眠、パソコンやスマートフォンの使用状況、使用した薬なども残しておくと振り返りやすくなります。
大切なのは完璧な頭痛日記を作ることではなく、自分の頭痛が起こりやすい状況を少しずつ見つけることです。
首こり頭痛が毎日続くのはなぜですか?
緊張型頭痛が慢性化している場合もありますが、片頭痛や薬剤の使用過多による頭痛など、別の原因が関係している可能性もあります。
毎日のように頭痛が続く場合は、首こりだけが原因と考えず、医療機関で相談してください。
スマホを見る時間を減らせば首こり頭痛は改善しますか?
スマートフォンを長時間見下ろす姿勢が負担になっている場合は、使用時間や画面の位置を見直すことが役立つ可能性があります。
ただし、スマートフォンの使用だけが頭痛の原因とは限らず、時間を減らせば必ず改善するわけではありません。
頭痛の特徴や生活全体の状況もあわせて確認しましょう。
首こり頭痛に効く枕はありますか?
すべての人に適した枕が一つあるわけではありません。
体格や寝姿勢によって合う高さや形状は異なるため、まずは朝の首の状態や寝返りのしやすさを確認してみてください。
朝の頭痛が続く場合は、枕だけで解決しようとせず、医療機関への相談も考えましょう。
参考
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会監修・編集『頭痛診療ガイドライン2021』
- 日本頭痛学会「緊張型頭痛」
- 日本頭痛学会「頭痛体操」
- 済生会「緊張性頭痛」
- 済生会横浜市南部病院「薬剤の使用過多による頭痛」に関する資料
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」

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