スマホによる肩こりの解消方法|スマホ首・巻き肩の10秒対策

スマホを目線に近い高さで持ち首と肩の力を抜いて使っているセルフケア風景

スマホによる肩こり対策では、画面を少し高くし、同じ姿勢を長く続けないことが、まず見直したいポイントです。

2025年3月24日に日清製粉グループが公開した記事では、「スマホ首」「巻き肩」をテーマに、約10秒で取り入れられるストレッチが紹介されました。この記事ではその内容を軸に、スマホを見る姿勢や休憩方法まで含めた6つの対策を整理します。

目次

スマホによる肩こりはなぜ起こる?首・肩への負担を確認

スマホを見るために頭を前へ傾けた姿勢が続くと、頭を支える首や肩まわりの負担が増えやすくなります。

一般に「スマホ首」と呼ばれる状態は、スマートフォンをのぞき込むような姿勢が続き、頭が体より前へ出た状態と関連づけて説明されます。

日清製粉グループの記事でも、スマホを長時間見る際の姿勢によって首の自然なカーブが失われ、頭が前へ出る「ストレートネック」の状態になるケースがあると紹介されています。

ただし、ここは少し丁寧に考えたいところです。

スマホを使う=必ずストレートネックになる、肩こりの原因はすべてスマホである、という意味ではありません。

肩や首のつらさには、長時間のデスクワーク、運動量、睡眠、ストレス、体の状態など、さまざまなものが関係します。

では、なぜ「頭が前へ出る姿勢」がこれほど注目されるのでしょうか。

2014年にKenneth K. Hansraj医師が発表した研究では、成人の頭を約10〜12ポンド(約4.5〜5.4kg)として、首を前へ傾ける角度が大きくなるほど頸椎に加わる力が増えるというモデルが示されました。

目安は次の通りです。

  • 頭がまっすぐな状態:約4.5〜5.4kg
  • 15度前へ傾ける:約12kg
  • 30度:約18kg
  • 45度:約22kg
  • 60度:約27kg

大正製薬「トクホン」のスマホ首に関する解説でも、60度下を向いた状態では約27kgに相当する負荷になるという目安が紹介されています。

ただし、この「27kg」には注意が必要です。

27kgの重りが実際に首の上へ載るわけではありません。頭を前へ傾けるにつれて首に働く力が大きくなることを、計算モデルによって示した数値です。

※画像はAIによるイメージ

数字だけを見ると少し怖く感じるかもしれませんが、「60度下を向いたら危険」と考える必要もありません。

私が大事だと思うのは、一瞬下を向くことより、その姿勢のまま長い時間動かなくなることです。

肩がつらくなると、つい「肩をもむ」「首を伸ばす」といったケアばかり考えます。

けれど毎日スマホを見るのであれば、つらくなった後にほぐすだけではなく、負担が続きにくい使い方へ変えることもセルフケアの一つです。

ここで一度、自分がスマホを使っている姿を思い浮かべてみてください。

「スマホを何時間使っているか」だけではなく、どこに画面があり、頭がどの位置にあり、その状態からどれくらい動いていないかを見ることが、肩こり対策の第一歩になります。

スマホによる肩こりの解消方法6つ|まず何を変えればいい?

スマホを見るときの首・肩への負担を減らすなら、すべてを一度に変える必要はありません。

まずは、次の6つから一番取り入れやすいものを選んでみましょう。

1.スマホを少し高い位置へ上げる

最初に見直したいのが、スマホの高さです。

お腹や膝の近くにスマホを置いて画面をのぞき込むと、頭も一緒に前へ倒れやすくなります。

そこで、いつもの位置より少しだけスマホを上げてみましょう。

大正製薬の解説でも、スマホをなるべく高い位置で持ち、目の高さに近づける方法が紹介されています。

ただし、「絶対に目と同じ高さにしなければ」と頑張りすぎる必要はありません。

腕を浮かせ続けて肩に力が入ってしまったら、それはそれで疲れてしまいます。

首の角度を少し減らせる場所を探す。

最初はそれくらいで十分です。

たとえば、いつもお腹の前で見ているなら胸のあたりまで上げてみるなど、「0か100か」ではなく少し変えるところから始めてみてください。

2.スマホを持つひじを支える

スマホを高くすると腕が疲れる人は、ひじの置き場所を作ってみてください。

たとえば右手でスマホを持つなら、左手を右ひじの下へ入れて支える方法があります。

机があるなら、ひじや前腕を机へ置いてもよいでしょう。

自宅で長時間動画を見るなら、スマホスタンドを使うという方法もあります。

私は、ここが意外と大事だと考えています。

良い姿勢を「筋肉で頑張って維持する」と、その姿勢自体が疲れるからです。

頑張って姿勢を作るより、道具や机に体を助けてもらう。

健康オタクのマスターとしては、こういう少し手抜きのできるセルフケアのほうが長続きしやすいと思っています。

スマホを上げることと、ひじを支えることはセットで考えると実践しやすくなります。

「画面を上げたら肩が疲れた」という人は、姿勢が悪いのではなく、腕を支える場所が足りないだけかもしれません。

3.顔だけをスマホへ近づけない

SNSを読んでいるときや、小さな文字を見ているとき。

気づくと「首はそのままで、顔だけ画面へ近づいていた」ということはありませんか。

スマホを見るたびに顔が前へ出る人は、ときどき横から自分を見たつもりで、

「頭が胸の真上から大きく前へ出ていないかな」

と確認してみてください。

画面が見づらい場合は、文字サイズを大きくする方法もあります。

ここでのポイントは、姿勢だけに自分を合わせないことです。

文字が小さいなら文字を大きくする。

スマホが低いならスマホを上げる。

腕が疲れるならひじを支える。

自分の体だけで全部解決しようとせず、画面や環境のほうを自分に合わせると、ぐっと楽になります。

「顔を前へ出さないようにしよう」と我慢するだけではなく、なぜ顔を近づけてしまうのかまで考えてみるのがポイントです。

4.同じ姿勢を長時間続けない

姿勢をきれいに整えても、ずっと同じ状態でいれば体は疲れてきます。

そこで意識したいのが、定期的に姿勢を変えることです。

日清製粉グループの記事では、今回紹介されたストレッチについて「1時間デスクワークをしたら行う」「朝起きたときや入浴後に行う」など、タイミングを決めて習慣化する方法が提案されています。

ここで「必ず何分ごとに休まなければいけない」と考えると、少し窮屈ですよね。

私は時間だけでなく、行動の区切りを休憩の合図にする方法もおすすめです。

たとえば、

  • 動画を1本見終わったら一度顔を上げる
  • SNSを一区切り見たらスマホを置く
  • メッセージを返信したら肩を一度動かす
  • 電車を降りる駅が近づいたら画面から目を離す

こんな小さな区切りで構いません。

「正しい姿勢を保ち続ける」のではなく、一つの姿勢に居座りすぎないことがポイントです。

休憩というと、スマホを30分や1時間置かなければならないように感じますが、そうではありません。

数十秒でも画面から顔を上げる、腕を下ろす、立ち上がるなど、姿勢をいったんリセットする機会を作ることから始められます。

5.首だけでなく胸や肩も動かす

スマホを見る姿勢では、頭が前へ出るだけではありません。

背中が丸くなり、肩も内側へ入りやすくなります。

そのため、「首がつらいから首だけ伸ばそう」と考えるより、胸や肩、背中も含めて軽く動かすほうが、自分の姿勢を整理しやすくなります。

日清製粉グループの記事でも、「スマホ首」とあわせて「巻き肩」が取り上げられ、胸の前側を伸ばすストレッチが紹介されています。

後ほど具体的な方法を紹介します。

6.痛みやしびれがあるときは無理に動かさない

セルフケアで一番忘れたくないのが、無理をしないことです。

ストレッチをして強い痛みが出る。

腕や手がしびれる。

首を動かしたときに症状が強くなる。

こうした場合、「効いているから我慢しよう」と考える必要はありません。

首は勢いよく回したり、強く反らしたりせず、痛みのない範囲で動かすのが基本です。

スマホによる肩こりだと思っていても、首や肩の症状にはさまざまな原因が考えられます。

セルフケアは診断の代わりにはなりません。違和感が強いときほど、「もっと伸ばせば楽になる」と無理をしないようにしましょう。

日清製粉グループの「スマホ首」10秒ストレッチとは?

2025年3月24日、日清製粉グループは「スマホ首」「巻き肩」をテーマにしたストレッチ記事を公開しました。

監修したのは、猫背矯正マイスター®であり、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師でもある一般社団法人日本施術マイスター養成協会代表理事の小林篤史氏です。

この記事で興味深いのは、スマホ首を「首だけの問題」として終わらせていないことです。

スマホやパソコンを見る姿勢では、頭だけではなく肩や胸の位置まで変わるため、「スマホ首」と「巻き肩」を一緒に扱っています。

紹介されたスマホ首向けストレッチの一つが、「顔引っ込め」です。

方法はシンプルです。

いったん顔を前へ出し、そこから約10秒かけてゆっくり顔を正しい位置へ戻していきます。

イメージとしては、前へ出た頭を「胸の上へ乗せ直す」ような動きです。猫背の状態のまま顔だけを無理に起こさないこともポイントとして示されています。

もう一つ紹介されているのが、「首斜め後方傾け」です。

背もたれのある椅子へ少し深めに座って背筋を伸ばし、頭をゆっくり軽く後方へ動かします。

そこから頭を片側へ傾けて10秒保ち、反対側も同様に行います。

※画像はAIによるイメージ

ここでは注意点もあります。

日清製粉グループの記事には、頸椎症の人は「首斜め後方傾け」を行わないようにすること、また首を急に倒したり無理に倒したりしないことが明記されています。

短いストレッチを見ると、「10秒なら強く伸ばしたほうが効きそう」と感じるかもしれません。

けれど首は、勢いよく大きく動かす場所ではありません。

「たくさん動かす」より、ゆっくり、自分が無理なく動かせる範囲で行うことを優先したいところです。

そして、10秒という短さにも意味を感じます。

スマホによる肩こり対策は、立派な運動時間を確保できる人だけができるものではありません。仕事や家事の途中でも思い出したときに取り入れられるくらいの小さな習慣なら、日常生活にも組み込みやすくなります。

ただし、「10秒行えば肩こりが解消する」と受け取らないことも大切です。

ストレッチはあくまで対策の一つ。普段のスマホの位置や姿勢をそのままにして、ストレッチだけですべてを補おうとするより、日常の使い方と組み合わせて考えるほうが自然です。

巻き肩にはどんな10秒ストレッチが紹介された?

スマホ使用では肩も前へ入りやすいため、日清製粉グループの記事では胸の前側を伸ばす方法も紹介されています。

記事では巻き肩について、左右の肩が内側へ入り込んだ状態と説明しています。

長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用、車の運転など、同じ姿勢を続けることによって胸の筋肉が硬くなり、肩が内側へ入りやすくなるという説明です。

さらに巻き肩を大きく2つのパターンに分けています。

一つは、腕の骨が前へ出て、自然に腕を下ろしたときに手の甲が前方へ向きやすいタイプ。

もう一つは、肩甲骨ごと前へ引っ張られているタイプです。

そこで紹介されているのが、「大胸筋伸ばし」です。

壁に対して正面に立ち、片側のひじと手を壁へつけます。

その状態から体を反対方向へ約90度向け、胸を張りながら10秒ほど保ちます。反対側も同じように行います。

※画像はAIによるイメージ

首がつらいと、どうしても首ばかり触りたくなります。

でもスマホを見ている自分を横から想像すると、頭だけではなく、背中が丸まり、肩も前へ入っていることがあります。

そう考えると、今回紹介されたストレッチで大切なのは、「首の体操を一つ覚えること」だけではありません。

首・肩・胸をバラバラに考えず、スマホを見ているときの体全体を見ること。

私はここが、この情報から持ち帰りたいポイントだと感じました。

スマホを操作するときは、画面を見るために頭を前へ出すだけでなく、両手を体の前へ持ってくる動きも増えます。

つまり、「首が前へ出ていないか」だけをチェックするより、肩が内側へ入りっぱなしになっていないか、胸まわりを動かす時間があるかまで見ると、セルフケアの選択肢が広がります。

スマホ肩こりを繰り返しにくくする使い方とは?

一つの完璧な姿勢を守るより、「姿勢を変えやすい環境」を作るほうが現実的です。

ここからは、資料を確認したうえでの私見です。

スマホ肩こり対策というと、「背筋を伸ばしましょう」「スマホを目の高さにしましょう」と言われることがよくあります。

もちろん、それも一つの方法です。

ただ、何十分も「正しい姿勢」を維持しようとすると、今度は背中や肩へ力が入り、疲れてしまう人もいるでしょう。

そこで私は、「良い姿勢を守る」ではなく「次の姿勢へ逃げられるようにする」と考えています。

たとえば電車の中でSNSを見ているなら、ずっと下を向くのではなく、ときどきスマホを少し上げて顔を起こす。

自宅で動画を見るなら、手だけで持ち続けずスタンドへ置く。

ソファで長くスマホを見るなら、一区切りしたところで一度置いて立ち上がる。

机なら、ひじを置く場所を作っておく。

※画像はAIによるイメージ

ここで新しく意識してほしいのが、「スマホを触る場所ごとに対策を変える」という考え方です。

同じ人でも、電車、自宅のソファ、ベッド、職場では、スマホを見る姿勢が違います。

つまり、「スマホ姿勢」という一つの姿勢があるわけではありません。

通勤中は画面の高さ。

デスクではひじの支え。

自宅で動画を見るときはスタンド。

寝る前なら長時間同じ方向を向かない。

このように、自分がスマホを長く見る場所を一つ見つけ、そこだけ環境を変えるほうが実践しやすいのです。

これは、毎日30分ごとにタイマーを鳴らすより続けやすい人も多いのではないでしょうか。

さらに、「何をしているときに長時間化しやすいか」を考えてみるのも一つです。

連絡を確認するだけなら数分でも、動画やSNSを見始めるといつの間にか長くなる人もいるでしょう。

そんな場合は、「スマホそのものを使わない」という難しい目標より、長時間になりやすい使い方だけ対策するほうが取り組みやすくなります。

たとえば動画を見る場所にスタンドを用意しておけば、動画を開いたとき自然に使えます。

SNSをよく見る椅子なら、ひじを支えられる場所を確認しておく。こうしてセルフケアを「思い出して頑張るもの」から「いつもの環境に仕込んでおくもの」へ変えるわけです。

スマホは連絡、仕事、地図、決済、動画、SNSなど、今の生活から簡単に切り離せません。

だから「スマホを使わないようにしよう」とするより、スマホを見る環境そのものを少し楽にする。

私はそのほうが、今の生活に合ったセルフケアだと考えています。

まずは一つだけで構いません。

次にスマホを見る場所を思い浮かべて、「ここなら何を変えられるかな」と探してみてください。

スマホ肩こり対策は「姿勢・時間・環境」の3つで考える

ここまでの対策をもっと簡単に整理すると、「姿勢」「時間」「環境」の3つを見ると、自分に足りない対策を見つけやすくなります。

姿勢では、頭が大きく前へ出ていないか、画面を低い位置から長くのぞき込んでいないかを確認します。

時間では、一つの姿勢がどれくらい続いているかを見ます。どれほどきれいな姿勢でも、動かずに長時間過ごせば疲れを感じることはあります。

環境では、スマホの高さ、ひじを支える場所、文字サイズ、スマホスタンドなど、自分の体以外で変えられる部分を探します。

この3つを分けて考えると、「姿勢が悪いから自分が悪い」と考えなくて済むのもよいところです。

たとえば画面を近づけてしまうなら文字サイズを変える。腕が疲れるならひじを支える。長時間になりやすいなら動画の区切りで立つ。

体に合わせて環境を調整することも、立派な肩こり対策です。

個人的には、スマホ肩こり対策で見落とされやすいのは、この「環境」の部分だと感じています。

ストレッチを覚えることも大切ですが、毎日繰り返すスマホの使い方そのものが少し楽になれば、セルフケアを特別な時間として用意しなくても取り入れられます。

スマホ肩こりで病院へ相談したほうがいい症状は?

強い痛みや手・腕のしびれ、症状の悪化がある場合は、自己流のストレッチだけで対処し続けないことが大切です。

首や肩のこりは身近な症状ですが、同じような「首が痛い」「肩が重い」という症状でも原因は一つではありません。

スマホをよく使っているからといって、すべてを「スマホ首」と自己判断しないようにしましょう。

特に、

  • 首や肩の強い痛みがある
  • 腕や手にしびれがある
  • 症状が長く続いている
  • 少しずつ症状が悪化している
  • 日常生活や仕事に支障が出ている

といった場合は、無理なストレッチを続けず、医療機関へ相談することを検討してください。

すでに頸椎症など首の病気を指摘されている人も、新しい首の運動を自己判断で始めるのではなく、医師などへ確認したほうが安心です。

また、一般的な肩こりとは分けて考えたい症状もあります。

突然、これまで経験したことのないような激しい頭痛が起きた、手足に急な麻痺や力の入りにくさが出た、ろれつが回らないなどの症状が現れた場合は、通常の肩こりとして様子を見る状況ではありません。

緊急性のある病気が隠れている可能性もあるため、速やかに医療機関へ相談してください。

セルフケアは、「我慢して続けた人ほど効果がある」というものではありません。

少し楽に過ごすために行うものだからこそ、痛みを増やしてまで続けない。

この線引きは大切にしたいですね。

スマホによる肩こり対策を続けるための考察

ここからは、この記事で確認してきた内容を踏まえた私見です。

スマホによる肩こりで大切なのは、「スマホが悪い」と考えて生活から遠ざけることではなく、人の体が同じ姿勢を長く続けなくて済む使い方へ変えていくことではないでしょうか。

スマホは非常に便利なので、使用そのものをやめるのは現実的ではありません。

だからこそ、「肩がこったらストレッチする」という後からの対策だけではなく、「そもそも首や肩が同じ状態で固まり続けにくい環境を作る」という視点を加えたいところです。

特に興味深いのは、首の角度によって頸椎に働く力が変わるという2014年のモデルと、2025年に紹介されたスマホ首・巻き肩のストレッチを一緒に見ると、スマホ肩こりは首だけを見ても十分ではないことが見えてくる点です。

画面が低ければ頭が前へ傾きやすくなります。

スマホを手で持ち続ければ腕や肩にも負担を感じやすくなります。

両腕を前へ出して画面を見続ければ、肩や胸まわりの姿勢にも影響します。

さらに、それが長時間続けば「動かない時間」も増えます。

つまり、スマホによる肩こり対策を一つのストレッチだけで考えるより、画面の高さ・腕の支え・姿勢を変えるタイミング・首や胸を動かすことを組み合わせるほうが、日常生活にはなじみやすいと考えられます。

そして、もう一つ大切にしたいのが「完璧を目指さないこと」です。

背筋を伸ばして、頭をまっすぐにして、スマホを高く持って……と全部を意識しながらスマホを使っていたら、それだけで疲れてしまいます。

セルフケアは、健康のために生活を窮屈にするものではありません。

疲労改善研究所として大切にしたいのは、毎日の生活を少し楽にするために、今日変えられるところを一つ見つけることです。

スマホを10cmほど上げてみる。

ひじを机へ置いてみる。

動画が終わったら一度立つ。

文字を大きくしてみる。

自宅のいつもの場所にスマホスタンドを置いてみる。

その中から一つだけでも十分です。

「正しい姿勢をずっと守る」ことより、「つらくなりそうなら別の姿勢へ移れる」。そんな余白のある使い方のほうが、長く続けられる肩こり対策になるのではないかと私は考えています。

まとめ

スマホによる肩こり対策では、ストレッチだけでなく、スマホの高さ、ひじの支え方、同じ姿勢を続ける時間を見直すことがポイントです。

2025年3月24日に日清製粉グループが公開した記事では、小林篤史氏の監修のもと、「顔引っ込め」「首斜め後方傾け」「大胸筋伸ばし」といった約10秒のスマホ首・巻き肩向けストレッチが紹介されました。

また、首を前へ傾けるほど頸椎に働く力が増えるという2014年の研究では、15度で約12kg、30度で約18kg、45度で約22kg、60度で約27kgというモデル上の推計値が示されています。これは実際にその重さの物体が首へ載るという意味ではない点も覚えておきましょう。

筆者としては、スマホ肩こり対策で一番意識したいのは、「完璧な姿勢を作ること」ではなく「一つの姿勢からいつでも抜けられる環境を作ること」だと考えています。

画面を少し上げる。

ひじを机へ置く。

動画を見終わったら一度立つ。

自宅だけスマホスタンドを使う。

全部やる必要はありません。

次にスマホを開くとき、まずは一つだけ試してみませんか。

よくある質問

スマホは完全に目の高さまで上げたほうがいいですか?

必ずしも目とまったく同じ高さへ固定する必要はありません。

大切なのは、低い位置にある画面を長時間のぞき込み続けないことです。腕が疲れるなら、机や反対側の手でひじを支えながら、無理なく頭の傾きを小さくできる場所を探してみてください。

スマホ肩こりはストレッチだけで対策できますか?

ストレッチは対策の一つですが、それだけですべての肩こりに対応できるわけではありません。

スマホの高さ、ひじの位置、文字サイズ、スマホを見る時間、同じ姿勢を続ける時間なども含めて見直すと、「つらくなってからほぐす」以外の対策ができます。

10秒ストレッチは何回やればいいですか?

日清製粉グループの記事では、仕事の合間や1日の終わりなど、気づいたときに取り入れ、1時間デスクワークをした後など自分なりのタイミングを決める方法が紹介されています。

回数を増やすことより、無理のない範囲で習慣にすることを優先しましょう。痛みが出る場合は中止してください。

スマホを見るとき、肩こり対策で最初に変えるなら何ですか?

まずはいつもよりスマホの位置を少し高くすることから試しやすいでしょう。

ただし、腕を上げたままにして肩が疲れる場合は、ひじや前腕を机などで支えてください。体だけで良い姿勢を作ろうとせず、環境を利用するのがポイントです。

スマホ首と巻き肩は一緒に対策したほうがいいですか?

スマホを見る姿勢では、頭が前へ出るだけでなく肩が内側へ入りやすくなる場合があります。

そのため、首だけに注目するのではなく、スマホの位置を見直しながら、肩や胸まわりも無理のない範囲で動かすという考え方ができます。

スマホ肩こり対策は毎日続けないと意味がありませんか?

大切なのは、完璧なルールを作ることよりも、普段の生活の中で無理なく繰り返せる方法を見つけることです。

「動画を見終わったら顔を上げる」「自宅ではスタンドを使う」など、すでにある習慣と組み合わせると続けやすくなります。

参考

  • 日清製粉グループ「スマホ首」「巻き肩」をテーマにしたストレッチ記事
  • Kenneth K. Hansraj医師による2014年の研究
  • 大正製薬「トクホン」スマホ首に関する解説
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