群発頭痛は季節の変わり目に多い?春・秋に起こる理由と症状・対策

季節の移り変わりと片側の目の奥の強い頭痛を表す人物

群発頭痛は、毎年春や秋など似た季節に繰り返すことがあります。ただし、季節の変わり目そのものが直接の原因とは限りません。

片側の目の奥に激しい痛みが走り、夜中や明け方など決まった時間帯に繰り返すのが特徴です。

大切なのは、季節だけでなく、痛みが起こる時間帯・持続時間・左右の違い・目や鼻の症状を一緒に確認すること。今回は、群発頭痛と季節の関係から、見分けるポイント、治療、日常生活で気をつけたいことまで整理していきます。

目次

群発頭痛と季節の変わり目にはどんな関係がある?

春や秋など季節の変わり目を示すカレンダーと頭痛に悩む人物
※画像はAIによるイメージ

群発頭痛では、一定期間に発作が集中する「群発期」があり、毎年似た季節に群発期を繰り返す人がいます。

2026年3月1日、東京都中野区の「頭とからだのクリニック かねなか脳神経外科」は、2〜3月の季節の変わり目に群発頭痛の患者が増えていると紹介しました。

また、2026年9月4日に公開された医療法人社団 正友会・五藤良将理事長による解説では、夏から秋へ移る時期の群発頭痛が取り上げられています。

つまり、医療現場では冬から春、夏から秋などの時期に群発頭痛の相談がみられることが紹介されているのです。

ただし、ここで区別しておきたいことがあります。

「春や秋に群発頭痛が起こる人がいる」ことと、「季節の変わり目が群発頭痛を直接引き起こす」ことは同じではありません。

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)でも、春や秋であること自体が群発頭痛の診断条件になっているわけではありません。

季節性はあくまで、患者ごとの発作パターンを知るための手がかりの一つとして考えるのが適切です。

春に群発頭痛が起こりやすいのはなぜ?

春先の群発頭痛については、2〜3月に患者が増えているという医療機関からの報告があります。

この時期は冬から春へ移り変わり、日照時間や気温、生活環境などが変化していきます。

ただし、こうした変化のどれか一つが群発頭痛を引き起こすと証明されているわけではありません。

特に注意したいのが、「寒暖差が大きいから群発頭痛になった」と決めつけないことです。

寒暖差は体調の変化を考える際の一つの要素ですが、群発頭痛には独特の発作パターンがあります。

春になると毎年頭痛が現れる人は、気温だけでなく、何月ごろから始まり、何日間続き、毎日何時ごろに痛むのかを振り返ってみるとよいでしょう。

秋に群発頭痛が増えるのはなぜ?

夏から秋へ移る時期についても、群発頭痛との関連が医療機関の解説で取り上げられています。

秋は日が短くなり、朝晩の気温も変化する季節です。

こうした環境の変化と、群発頭痛にみられる体内時計の規則性との関係は、気になるポイントといえます。

しかし、秋の気温低下や日照時間の変化が、直接発作を引き起こすと断定することはできません。

私が大切だと感じるのは、「秋だから頭痛がする」という情報を、もう少し具体的にしてみることです。

たとえば、毎年9月になると同じ側の目の奥が痛み、夜中の決まった時間に発作が起こるのであれば、季節だけでは説明できない規則性が見えてきます。

この規則性こそが、群発頭痛を考えるうえで重要な手がかりになります。

群発頭痛は季節に関係なく起こることもある

群発頭痛という名前から、春や秋だけに起こる頭痛だと思われるかもしれません。

しかし、群発頭痛は特定の季節だけに限定される病気ではありません。

群発期の現れ方には個人差があり、毎年同じ時期に繰り返す人もいれば、季節との明確な関係が分からない人もいます。

また、群発頭痛には、発作が起こる期間と落ち着く期間を繰り返す反復性群発頭痛と、十分な寛解期間がほとんどない慢性群発頭痛があります。

つまり、季節性がないからといって群発頭痛を否定することもできないのです。

なぜ群発頭痛には季節性や時間の規則性がみられるの?

脳の視床下部と昼夜の体内時計の関係を示すイメージ
※画像はAIによるイメージ

群発頭痛を考えるうえで注目されているのが、脳の「視床下部」と体内時計の関係です。

群発頭痛には、毎日ほぼ同じ時間帯に発作が起きたり、毎年似た時期に群発期が現れたりする人がいます。

こうした規則性から、睡眠や覚醒、体内時計、自律神経などに関わる視床下部が、群発頭痛の発生に関係している可能性が考えられています。

視床下部と体内時計の関係

視床下部は、体温や睡眠、ホルモンの働きなど、体のさまざまな調整に関わる脳の一部です。

私たちの体には、朝になると目覚め、夜になると眠くなるといった、おおよその生活リズムが備わっています。

これが一般に「体内時計」と呼ばれる仕組みです。

群発頭痛では、発作が毎日似た時間帯に起こることがあり、この特徴が体内時計との関連を考える理由の一つになっています。

たとえば、夜中の午前2時ごろに繰り返し発作が起きる場合、単に疲れがたまった時間だからという説明だけでは十分ではありません。

ただし、視床下部がどのような仕組みで発作に関わるのかについては、現在も研究が続けられています。

メラトニンは群発頭痛と関係している?

メラトニンとの関連についても指摘されています。

メラトニンは、睡眠と覚醒のリズムに関わるホルモンで、夜間に分泌が増えるという特徴があります。

春や秋には日の長さが変化し、気温や生活環境も変わっていきます。

そのため、季節の変化と体内時計との関係は気になるところですが、「寒暖差が群発頭痛の原因」「自律神経の乱れだけが原因」と単純化することはできません。

群発頭痛の仕組みには、現在も完全には分かっていない部分があります。

また、メラトニンとの関連が指摘されているからといって、市販のサプリメントなどで群発頭痛を自己治療できるという意味でもありません。

治療については、頭痛の種類や症状に応じて医師と相談する必要があります。

なぜ夜中や明け方に群発頭痛が起こるの?

群発頭痛では、入眠後1〜2時間や明け方などに発作が集中することがあります。

夜間の発作が目立つ背景にも、睡眠と体内時計に関わる仕組みが関連している可能性があります。

ただし、すべての患者に夜間の発作が起こるわけではなく、日中に発作が現れる場合もあります。

ここで重要なのは、「秋だから頭痛が起きた」という一点だけを見るのではなく、毎年似た時期に繰り返しているか、毎日似た時間帯なのかまで確認することです。

季節性を単独で原因と考えるのではなく、発作全体の規則性を見る。そのほうが群発頭痛という頭痛の特徴を捉えやすくなります。

群発頭痛の特徴は?片側の目の奥の激痛だけではない

片側の目の奥の痛みと涙や鼻づまりなどの症状を示す人物
※画像はAIによるイメージ

群発頭痛は、片側の目の奥や目の上、こめかみ周辺などに非常に強い痛みが現れる頭痛です。

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)では、未治療の場合の発作は15〜180分間続き、発作頻度は2日に1回から1日8回とされています。

単に頭が重い、締めつけられるという痛みとは異なり、非常に激しい痛みを伴うことが特徴です。

群発頭痛で起こりやすい症状

痛みと同じ側に、次のような症状を伴うことがあります。

  • 目が充血する
  • 涙が出る
  • 鼻が詰まる、鼻水が出る
  • 額や顔に汗をかく
  • まぶたが下がる、腫れる
  • 瞳孔が小さくなる
  • じっとしていられず落ち着かなくなる

すべての症状が同時に現れるわけではありません。

特に、片側の目の奥が激しく痛み、その側の目から涙が出たり、鼻が詰まったりする場合は、医師に詳しく伝えたい特徴です。

また、群発頭痛では痛みの強さだけでなく、発作の最中の行動にも特徴がみられます。

片頭痛では、動くことで痛みがつらくなり、暗く静かな場所で横になりたくなる人がいます。

一方、群発頭痛では非常に強い痛みから、じっとしていられず歩き回るなどの落ち着きのなさがみられることがあります。

発作時間や回数には幅があるため、「1時間ぴったりでなければ群発頭痛ではない」といった判断もできません。

群発頭痛と片頭痛・緊張型頭痛の違い

季節の変わり目には、群発頭痛以外の頭痛が起こることもあります。

そのため、目の奥が痛い、春や秋に頭痛がするといった情報だけでは、頭痛の種類を見分けられません。

代表的な頭痛の特徴を整理すると、次のようになります。

比較項目 群発頭痛 片頭痛 緊張型頭痛
痛む場所 片側の目の周囲やこめかみ 片側または両側 頭の両側など
痛みの特徴 非常に激しい痛み ズキズキする痛みなど 締めつけられるような痛み
持続時間 15〜180分 4〜72時間が典型的 30分〜7日間など
発作中の様子 落ち着かず動き回ることがある 動くとつらく、安静を好むことが多い 日常動作で悪化しにくい
伴いやすい症状 涙、充血、鼻づまりなど 吐き気、光や音への過敏など 首や肩のこりを伴うことがある

※いずれも代表的な特徴であり、実際の症状には個人差があります。

ここで注目したいのは、痛みの強さだけではなく、発作がどのくらい続き、どのような症状が一緒に現れるかという違いです。

群発頭痛と片頭痛は、どちらも強い痛みを伴うことがあります。

しかし、群発頭痛では比較的短い発作が一定期間に繰り返され、目や鼻の症状を伴うことが特徴的です。

一方、緊張型頭痛では、頭全体を締めつけられるような痛みがみられることがあります。

もちろん、これらの特徴だけで自己診断することはできません。

特に、これまで経験したことのない頭痛が現れた場合は、別の病気が隠れていないか確認することが大切です。

群発頭痛は男性に多い?女性にも起こる?

かねなか脳神経外科の記事では、患者の男女比は男性:女性=3:1とされ、20〜40代で発症することが多いと紹介されています。

ただし、女性にも群発頭痛は起こります。

「男性に多い」という特徴だけで、自分は違うと判断しないことも大切です。

また、20〜40代に多いという傾向があっても、それ以外の年代で起こらないわけではありません。

性別や年齢よりも、実際にどのような発作が起きているかを確認することが重要です。

毎年同じ季節に痛むなら何を記録すればいい?

頭痛の発症時刻や左右の痛みや持続時間を記録する頭痛日記
※画像はAIによるイメージ

季節の変わり目に強い頭痛を繰り返している場合、役立つのが発作の記録です。

ポイントは、単に「今日は頭痛があった」と残すのではなく、発作の周期性が分かる情報をセットで記録することです。

群発頭痛の記録で確認したい項目

たとえば、次のような内容です。

  • 発作が起きた日と時刻
  • 左右どちらが痛んだか
  • どの場所が痛んだか
  • 何分くらい続いたか
  • 1日に何回起きたか
  • 涙、充血、鼻づまりなどがあったか
  • 発作が起こる前に飲酒や長湯をしていたか
  • 前日の睡眠時間や就寝時刻
  • 発作が続いた期間と、落ち着いた時期

すべてを細かく記録しようとすると、負担になるかもしれません。

まずは日付、時刻、痛む側、持続時間の4つから始めてもよいでしょう。

群発頭痛では、入眠後1〜2時間や明け方などに発作が集中することもあります。

たとえば「秋になると頭痛がする」だけでは分からなかったことも、「9月になると、午前2時ごろに右目の奥が約1時間痛み、右目から涙が出る」まで記録できれば、発作の輪郭がかなり明確になります。

頭痛の記録はどのように書けばいい?

難しい記録表を作る必要はありません。

スマートフォンのメモや手帳に、次のように残す方法でも十分役立ちます。

記録例(架空のケース)

  • 日付:9月15日
  • 発作開始:午前2時10分
  • 発作終了:午前3時5分
  • 痛む場所:右目の奥
  • 痛みの強さ:10段階で9
  • 伴う症状:右目の涙、鼻づまり
  • 発作前の状況:午後11時に就寝
  • その他:痛みで目が覚め、じっとしていられなかった

このような記録が数日分あれば、発作の時間帯や症状の共通点を確認しやすくなります。

さらに、前年の記録が残っていれば、同じ季節に繰り返しているかも比較できます。

ただし、記録を完成させてから受診する必要はありません。

強い頭痛が繰り返されている場合は、記録が少なくても医療機関で相談してください。

頭痛の記録に天気や気圧も必要?

季節の変わり目の頭痛では、天気や気圧の変化が気になる人もいるでしょう。

記録に余裕があれば、天候や気温、気圧の変化などを補足しても構いません。

ただし、群発頭痛を考える際に優先したいのは、発作の持続時間、頻度、痛む場所、目や鼻の症状です。

天気と頭痛が同じ日に起きたからといって、気圧が直接の原因だと証明されたわけではありません。

記録の目的は、原因を無理に決めることではなく、自分の発作パターンを医師に正確に伝えることです。

すぐに受診したほうがよい頭痛とは?

一方で、初めて経験する突然の激しい頭痛や、手足のまひ、ろれつが回らない、意識がおかしいといった症状がある場合は、「いつもの群発頭痛だろう」と自己判断しないことが重要です。

特に次のような場合は注意が必要です。

  • 突然始まり、短時間で非常に強い痛みになった
  • 手足のしびれやまひが現れた
  • 言葉が出にくい、ろれつが回らない
  • 意識がもうろうとする
  • 発熱や首の強いこわばりを伴う
  • これまでの頭痛と明らかに様子が違う

こうした症状がある場合は、くも膜下出血など重大な病気による頭痛を除外する必要があります。

突然の激痛や神経症状がある場合は、救急車を呼ぶなどして直ちに救急医療につなげてください。

季節の変わり目だからという理由で、受診を遅らせないことが大切です。

群発期の生活と治療で知っておきたいことは?

群発頭痛では、発作が集中して起こる期間を「群発期」と呼びます。

この時期には、アルコールが発作の引き金になりやすいことが知られています。

元資料では飲酒のほか、サウナや長湯、喫煙、気圧の変化、昼寝なども発作との関連が紹介されています。

ただし、引き金には個人差があり、挙げられた行動すべてが必ず発作を起こすわけではありません。

群発期に気をつけたい生活習慣

群発頭痛と診断されている人で毎年似た時期に群発期が現れるなら、「季節の変わり目だから仕方がない」と諦める必要はありません。

自分の発作時期と引き金になりやすい行動を整理し、主治医と相談しておくことが現実的です。

特に意識したいのは、次のような点です。

  • 飲酒:群発期には発作の引き金になることがあるため、避ける
  • サウナ・長湯:発作との関連が疑われる場合は控える
  • 喫煙:健康への影響も踏まえ、禁煙について相談する
  • 睡眠:就寝・起床時刻をできる範囲で一定にする
  • 昼寝:発作との関連があると感じる場合は記録して相談する

大切なのは、生活習慣だけで群発頭痛を防ごうとしないことです。

規則正しい生活は体調管理の基本ですが、それだけで群発頭痛の発作を予防できるとは限りません。

また、群発頭痛は睡眠中にも起こるため、発作を恐れて睡眠を削ることはおすすめできません。

群発頭痛の発作が起きたときの治療は?

群発頭痛は非常に強い痛みを伴いますが、ただ耐えるしかないわけではありません。

日本の「頭痛の診療ガイドライン2021」では、急性期治療としてスマトリプタン3mg皮下注射や高濃度酸素吸入などが推奨されています。

急性期治療とは、発作が起こったときに痛みを抑えることを目的とした治療です。

群発頭痛は発作が比較的短時間で終わる場合もあるため、速やかに効果が期待できる治療方法が重要になります。

#### 高濃度酸素吸入

高濃度酸素については、7L/分で15分間吸入する方法などが示されています。

ただし、酸素の流量や吸入方法は、医師が患者の状態に応じて判断します。

家庭用として販売されている簡易的な酸素缶を自己判断で代用するものではありません。

酸素療法については、医療機関で相談する必要があります。

#### スマトリプタン

スマトリプタンは、群発頭痛の急性期治療に使用される薬の一つです。

日本では、スマトリプタン3mgの皮下注射が治療選択肢として挙げられています。

また、スマトリプタン20mgの鼻腔内投与は海外で有効性が示されていますが、日本では群発頭痛に対して保険適用外とされています。

国内で推奨される治療と、海外で有効性が報告されている治療を分けて理解しておくことが大切です。

なお、スマトリプタンは誰でも使用できる薬ではありません。

持病や使用中の薬によって適さない場合もあるため、医師の判断が必要です。

群発頭痛を予防する治療はある?

群発頭痛では、発作が起きたときの治療だけでなく、発作が集中する期間の回数や強さを減らすための予防治療も検討されます。

予防治療では、ベラパミルや副腎皮質ステロイドなどが選択肢になります。

ベラパミルは、使用にあたって心電図などの確認が必要になることがあります。

副腎皮質ステロイドについても、副作用や使用期間を考慮しながら医師が判断します。

いずれも、自己判断で服用したり、量を変更したりするものではありません。

特徴的な発作を繰り返している場合は、市販の鎮痛薬を自己判断で増やすのではなく、頭痛を扱う医療機関で相談することが重要です。

毎年同じ時期に起こるなら、発作が始まる前に相談できる?

ここは、季節性を知ることの実用的なメリットだと考えています。

すでに群発頭痛と診断されていて、毎年似た時期に群発期が現れる場合は、次の群発期が始まる前に主治医へ相談するという選択肢があります。

たとえば、毎年9月ごろに発作が始まる人なら、夏のうちに過去の発作記録を確認し、治療方針について相談しておく方法です。

もちろん、予防治療をいつ開始するかは、患者の状態やこれまでの経過によって異なります。

それでも、発作が始まってから慌てて受診するだけでなく、予想される時期に備えて相談するという考え方は、季節性を活かす一つの方法になります。

季節の変わり目の群発頭痛をどう捉える?

ここからは、資料と診断基準を踏まえた私なりの考察です。

この記事で最も大切にしたいのは、「季節性=原因」ではなく、「季節性=発作パターンを見つける手がかり」と捉えることです。

医療機関からは春先や秋に群発頭痛の患者や相談がみられることが紹介されています。

一方、ICHD-3では春や秋であること自体は診断基準になっていません。

この2つを照らし合わせると、季節だけで群発頭痛かどうかを判断するのではなく、季節×時間×左右×随伴症状という組み合わせで発作を見ることが実用的だと考えられます。

「9月になると頭痛がする」という情報だけなら、さまざまな頭痛が考えられます。

しかし「毎年9月ごろ」「午前2時ごろ」「いつも右目の奥」「約1時間」「右目から涙が出る」というように情報を重ねれば、医師に伝えられる発作パターンは具体的になります。

ここが、季節の変わり目の一般的な不調と群発頭痛を考えるうえでの重要なポイントです。

季節だけで原因を判断しないことが大切

季節は目立つため、「秋になったから」「寒暖差があるから」と原因をそこに求めたくなります。

しかし群発頭痛では、季節の背景に隠れている規則性を見ることに意味があります。

たとえば、毎年秋に頭痛が起こる人がいたとします。

その人が、朝から夕方まで頭全体に重い痛みを感じる場合と、夜中に片側の目の奥が激しく痛み、1時間ほどで落ち着く場合とでは、考えるべき頭痛の種類が異なります。

どちらも「秋の頭痛」ですが、症状の中身は同じではありません。

私は、ここを区別することが、季節の変わり目の頭痛を理解する第一歩だと考えています。

痛みの強さだけで受診を判断しない

また、群発頭痛は非常に強い痛みを伴います。

そのため「まだ耐えられるから様子を見る」という痛みの強さだけを基準にするより、特徴的な発作が一定期間に繰り返されているなら、そのパターンを整理して受診につなげることが大切だと考えます。

群発頭痛には、発作時の治療と予防治療の両方に選択肢があります。

生活習慣を見直すことは大切ですが、医療による治療が必要な頭痛までセルフケアだけで何とかしようとする必要はありません。

むしろ、自分の頭痛の特徴を理解し、適切な医療につなげることも立派なセルフケアの一つです。

「毎年同じ季節」を受診の準備に活かす

もう一つ、私が注目したいのは、季節性を単なる不安材料にしないことです。

毎年似た時期に群発期が現れる人にとって、季節の情報は「また痛くなるかもしれない」という心配につながることがあります。

しかし、見方を変えれば、受診や治療について早めに相談するための手がかりにもなります。

たとえば、前年の群発期が始まった時期を確認し、発作の回数や持続時間をまとめておけば、次の診察で具体的に相談しやすくなります。

もちろん、記録があるからといって、次の発作を正確に予測できるわけではありません。

それでも、漠然と不安を抱えるだけでなく、今できる準備を考えられることには意味があると思います。

これは、疲労改善研究所で大切にしている「改善の第一歩を、わかりやすく」という考え方にも重なります。

全部を一度に変える必要はありません。

毎年似た季節に頭痛が起きているなら、まず次の発作が起きたときに日付・時刻・左右・持続時間・目や鼻の症状を記録する。

それだけでも、自分の頭痛を「なんとなく」から具体的な情報へ変える第一歩になります。

まとめ|群発頭痛は「季節」だけでなく周期性を確認しよう

群発頭痛では、毎年似た季節に群発期を繰り返す人がいます。

2026年3月1日のかねなか脳神経外科の記事では2〜3月、2026年9月4日の五藤良将理事長による解説では夏から秋への移行期が取り上げられています。

ただし、春や秋に必ず群発頭痛が起こるわけではなく、季節の変わり目が直接的な原因と確立しているわけでもありません。

群発頭痛には視床下部や体内時計との関連が考えられており、毎日似た時間帯や毎年似た時期に繰り返すという規則性が注目されています。

ICHD-3では、片側を中心とする非常に強い痛みが15〜180分続き、発作頻度は2日に1回から1日8回。さらに涙や目の充血、鼻づまりなどを伴うことがあります。

また、群発頭痛には急性期治療や予防治療の選択肢があるため、特徴的な発作が繰り返される場合は、医療機関で相談することが大切です。

季節の変わり目に毎年強い頭痛を繰り返しているなら、まずは季節だけで判断せず、「いつ・どちら側・何分間・どんな症状を伴ったか」を確認してみてください。

そして、突然の激しい頭痛や手足のまひなどがある場合は、群発頭痛と決めつけず、直ちに救急医療につなげましょう。

自分の頭痛の規則性に気づくことが、必要な医療につなげるための小さな一歩になります。

よくある質問

群発頭痛は春や秋に必ず起こりますか?

いいえ。毎年似た季節に群発期を繰り返す人はいますが、春や秋に必ず発症するわけではありません。

季節性だけで群発頭痛と判断せず、痛む場所や持続時間、発作頻度、涙や鼻づまりなどの症状も合わせて確認することが大切です。

また、季節に関係なく発作が起こる場合もあります。

群発頭痛は1回どのくらい続きますか?

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)では、未治療の場合の群発頭痛の発作は15〜180分とされています。

発作頻度にも幅があり、2日に1回から1日8回までが診断基準に含まれています。

ただし、持続時間だけで群発頭痛と診断できるわけではありません。

季節の変わり目に目の奥が痛ければ群発頭痛ですか?

目の奥が痛むという症状だけでは判断できません。

片側の強い痛み、涙や充血、鼻づまりなどの症状、発作の持続時間や頻度、毎日似た時間に起こる規則性などを含めて医師が判断します。

特に、突然起こった激しい頭痛や、手足のまひ、ろれつが回らない、意識がおかしいなどの症状を伴う場合は、季節性や群発頭痛と自己判断せず、直ちに救急医療を受けてください。

参考

  • 頭とからだのクリニック かねなか脳神経外科「群発頭痛は季節の変わり目に多い」(2026年3月1日)
  • 医療法人社団 正友会・五藤良将理事長「秋に増える『群発頭痛』〜目の奥をえぐるような激痛は、我慢せず頭痛外来へ〜」(2026年9月4日)
  • 国際頭痛分類第3版(ICHD-3)
  • 頭痛の診療ガイドライン2021
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