眼精疲労が気になる仕事中は、まず水、次に無糖飲料が選びやすいでしょう。特定の飲み物だけで眼精疲労が改善するとは言い切れないため、「何を飲むか」と同時に「どう目を休ませるか」を考えることが大切です。
「目によい成分が入っている」と「飲めば眼精疲労が改善する」は、似ているようで別の話です。私はむしろ、一杯飲む時間を目の休憩に変えることが、仕事中には取り入れやすい対策だと考えています。
眼精疲労が気になるとき、飲み物のおすすめは?

迷ったら、第一候補は水、第二候補は無糖のお茶など、食事が乱れた日は野菜系飲料などを補助的にと考えると選びやすくなります。
「眼精疲労に効く飲み物」を探したくなる気持ちはよく分かります。ただ、眼精疲労には目の使い方や眼鏡の状態、乾燥など、さまざまな要因が関係します。
そのため、飲み物ひとつで原因全体に対処できるとは考えにくいのです。眼精疲労については、屈折の異常などが関係する場合があることも知られています。
一方で、飲み物から水分や栄養素を取ること自体に意味がないわけではありません。
目の健康に関わる栄養素を考える際には、せん茶、抹茶、ココア、青汁などが選択肢として挙げられることがあります。また、ビタミンB群などを含む食品と目の疲れ、栄養との関係について紹介されることもあります。
ただし、ここで覚えておきたいのは、栄養素を含む飲み物=眼精疲労を治す飲み物ではないということです。
仕事中に選ぶなら、次のように目的を分けてみると分かりやすくなります。
飲み物 仕事中の位置づけ 選ぶときのポイント
水 水分補給の第一候補 迷ったらまずこれ
無糖のお茶 水分補給の選択肢 カフェインの有無を確認
せん茶・抹茶 栄養素を含む飲み物 眼精疲労への効果とは分けて考える
ココア 食生活を補う選択肢 加糖タイプは糖分も確認
野菜・果物系飲料 食事が乱れた日の補助 野菜そのものの代わりとは考えない
青汁 食生活を補う選択肢 商品ごとの成分表示を確認
栄養系ドリンク 商品によって目的が異なる 糖分・カフェイン・成分を確認
私なら、「水分補給」「食事の補助」「眠気対策」を一緒にしないようにします。
この3つを分けるだけでも、「目によさそうだから何となく買う」から、「今の自分に必要だから選ぶ」へ変わります。
たとえば、喉が渇いているなら水分補給が目的です。昼食がかなり偏ってしまったなら食生活を振り返り、眠くて集中できないなら、目の疲れとは別に休息や睡眠について考える必要があります。
目的を決めてから一杯を選ぶ。これが、眼精疲労を気にする人にとって分かりやすい飲み物選びの第一歩です。
ビタミンB群やルテイン入りなら眼精疲労に効く?

ビタミンやルテインを含んでいても、その飲み物を飲めば眼精疲労が改善する、と単純には言えません。
ここは健康情報でとても混同されやすいところです。
ビタミンB群には、B1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸などがあります。それぞれ体内でエネルギー代謝などに関わっています。
ビタミンAやE、アントシアニン、ルテインなども、「目によい栄養素」として食品情報で目にすることが多いでしょう。
ただ、私は次の3段階を分けて読むことが大切だと思っています。
- 食品や飲み物に、その成分が含まれている
- その成分が、体や目の正常な働きに関係している
- その飲み物を飲むことで、眼精疲労が改善する
この3つは同じ意味ではありません。
たとえば、ルテインを含む食品があるという事実だけでは、「その食品を取れば、今感じている眼精疲労が改善する」という結論にはなりません。
「目によい栄養素」という言葉を見ると、つい目の疲れにも直接働きかけてくれそうに感じます。しかし、栄養についての話と、現在起きている眼精疲労への対処は分けて考える必要があります。
さらに、野菜ジュースや青汁も同じです。
忙しくて食事が偏った日に利用する選択肢にはなりますが、商品によって原材料や栄養成分は異なりますし、野菜そのものを丸ごと置き換えられるものとは限りません。
「野菜ジュースを飲んだから食事は気にしなくて大丈夫」と考えるのではなく、あくまで普段の食生活を補う選択肢のひとつとして考えるほうが自然です。
飲み物は「目の薬」と考えるより、毎日の水分補給や食生活を支える一杯と考える。そのくらいの距離感が、健康情報に振り回されにくい選び方です。
仕事中は「飲む時間」を眼精疲労の休憩に変える
仕事中なら、飲み物の種類を変えるよりも、飲む行動そのものを休憩の合図にする方法にも注目してみてください。
情報機器を使う作業では、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までに10〜15分の作業休止時間を設けること、一連続作業時間内にも1〜2回程度の小休止を設けることが示されています。
ここで、いつもの飲み物が役立ちます。
水を取りに行ったら、その間は画面から視線を外す。お茶を飲むときはパソコンを見ながらではなく、少し離れた場所へ視線を向けてみる。
つまり、「飲み物を眼精疲労対策にする」のではなく、「飲む行動を休止のトリガーにする」という考え方です。
私はこの方法を、この記事の中でも特に試してほしいと思っています。
「1時間ごとに休憩しよう」と思っていても、仕事に集中すると忘れてしまいますよね。でも、水を飲む、お茶を入れるという行動なら、すでに毎日の中にあります。
そこで、新しい健康習慣をひとつ増やすのではなく、今ある習慣に目の休憩をくっつけるのです。
たとえば、水分補給をするときに次の3つをセットにしてみます。
- いったん画面から目を離す
- 席を立てるときは飲み物を取りに行く
- 飲んでいる間は別の画面を見ない
ここで意外と大切なのが3つ目です。
パソコンから離れたのに、休憩中はスマートフォンを見る。これでは「仕事は休んでいるけれど、目は休んでいない」という状態になりやすいからです。
飲み物を取りに行く数分を、メール確認やSNSを見る時間ではなく、目を画面から解放する時間にしてみてください。
健康習慣というと何か特別なことを始めなければならないように感じますが、こうした「いつもの行動とのセット」なら始めやすいのではないでしょうか。
コーヒーやエナジードリンクは眼精疲労のとき避ける?

コーヒーを飲んではいけないわけではありません。
ただし、カフェインをたくさん取れば眼精疲労が改善する、という考え方はしないほうがよいでしょう。
コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどには、商品や量によってカフェインが含まれます。
カフェイン飲料で一時的に頭がシャキッとすると、「疲れが取れた」と感じることもあるかもしれません。
しかし、目に負担をかけている原因が長時間の画面作業や合っていない眼鏡、乾燥などにある場合、その原因自体がなくなったわけではありません。
ここも、私は「眠気」と「眼精疲労」を分けて考えるのが大切だと思います。
眠いときにコーヒーを飲みたくなることと、目が重い、目の奥が疲れていると感じることは、同じ「疲れ」という言葉で表現されても対処の目的が違います。
午後から夜にコーヒーやエナジードリンクを重ねる習慣がある人は、カフェインを増やす前に、一度画面から離れてみてください。
「もう一杯飲んで頑張ろう」と考える前に、今必要なのは刺激なのか、それとも休憩なのかを一度考えてみるわけです。
疲れているときほど「何かを足す」方向へ考えがちですが、目に関しては、いったん使うのを止める時間を作るほうが先という場面もあります。
コーヒーを楽しむこと自体を必要以上に避けるのではなく、「眼精疲労を何とかするために飲む」という役割を背負わせすぎないことがポイントです。
コンビニで眼精疲労が気になるときは何を買う?
コンビニなら、難しく考えなくて大丈夫です。
水か無糖飲料を基本にして、食事が乱れた日だけ補助的な飲み物を考えるくらいが分かりやすいでしょう。
たとえば、お昼がパンだけになったからといって、野菜系飲料を足せば食事が完全になるわけではありません。
それでも、何を飲むか迷ったときに「目に効きそうな派手な商品」を探すのではなく、普段の食事を振り返る材料にはできます。
選び方を簡単にすると、こんなイメージです。
喉が渇いているなら水。味のあるものが欲しければ無糖飲料。食生活の補助を考えるなら成分表示を見る。
この順番なら、商品棚の前で迷いにくくなります。
栄養系ドリンクやエナジードリンクを選ぶ場合も、「ビタミン配合」という表面の言葉だけではなく、成分表示を確認してみてください。
同じカテゴリーでも糖分やカフェイン、配合されている成分は商品ごとに異なります。
特に「疲れているから」という理由だけで選ぶと、眼精疲労、眠気、空腹、水分不足など、違う状態を全部ひとまとめにしてしまいがちです。
私ならコンビニでは、水分補給なら水、味が欲しければ無糖飲料、食生活を補いたいなら表示を見て選ぶ。このくらいシンプルに考えます。
そして飲み物を買ったら、すぐにパソコンの前へ戻るのではなく、可能ならほんの少しだけ画面から離れる。
コンビニへ行く、飲み物を買う、席を立つという行動そのものを、仕事の小さな区切りとして利用するのもひとつの方法です。
飲み物を変えても眼精疲労が続くのはなぜ?
眼精疲労は、栄養不足だけで説明できる症状ではありません。
目が正しく使われていない場合には疲れが起こりやすくなることがあり、目や全身の状態が関係する場合もあります。
ここが、飲み物だけを追いかけないほうがよい理由です。
眼精疲労では、屈折や調節、乾燥、長時間の近い距離での作業など、複数の負担を切り分けて考えることのほうが重要だと私は考えています。
「ブルーベリーがよいのかな」「ビタミン入りのドリンクを増やそうかな」と考える前に、まず普段の状態を振り返ってみましょう。
- 今の眼鏡やコンタクトレンズは合っているか
- 長時間、画面を見続けていないか
- 目が乾いていないか
- 休憩してもつらさが残っていないか
- パソコンから離れた後もスマートフォンを見続けていないか
こうした点を確認するほうが、眼精疲労につながっている負担を見つけるヒントになる可能性があります。
ここで大切なのは、「おすすめの飲み物を見つけられなかったから改善しない」と考えないことです。
飲み物を変えてもつらいなら、飲み物以外のところに見直すポイントがあるかもしれない。そう考えると、次に何を確認すればよいかが見えてきます。
飲み物を工夫し、休憩を取っても症状が続く場合や、見え方の変化など気になる症状がある場合には、飲み物探しを続けるのではなく眼科へ相談してください。
考察|「目によい一杯」より「目を使わない数分」を先に
眼精疲労の飲み物について考えるとき、私が最も気になるのは、栄養の話と眼精疲労の原因の話が混ざりやすいことです。
ビタミンB群やルテインなどについて知ることは、食生活を考えるうえでは役立ちます。
でも、仕事で一日中パソコンを見ている人が、そのまま画面を見続けながら「目によさそうな飲み物」を飲んでも、目を使い続けている状況そのものは変わりません。
ここは、少し順番を入れ替えてみると分かりやすくなります。
まず画面から離れる。次に、自分の目を疲れさせている原因を考える。そのうえで、水分補給や食生活の一部として飲み物を選ぶ。
私は、この順番のほうが眼精疲労との付き合い方として自然だと考えています。
情報機器を使う仕事では、作業時間だけでなく休止についても具体的な考え方が示されています。長時間パソコンを使う人にとって、「何を飲むか」だけではなく、どう休むかも同じくらい大切なテーマです。
そして、もうひとつ注目したいのが、飲み物には「仕事を区切るきっかけを作れる」という役割があることです。
水そのものが眼精疲労を解消してくれるという意味ではありません。
水を取りに立つ、お茶を入れる、ひと口飲みながら遠くを見る。こうした行動によって、集中し続けていた仕事に小さな切れ目を作れます。
これは飲み物の「成分」ではなく、飲むという行動の使い方に目を向ける考え方です。
健康情報を探していると、「何を摂ればいいのか」に目が向きやすいものです。サプリメントを足す、栄養ドリンクを足す、目によさそうな食品を足す、といった具合です。
けれども疲労対策では、ときには足すことより負担を一度減らすことが必要になります。
特にパソコンやスマートフォンを使う時間が長い人なら、「目によさそうなものを飲みながら作業を続ける」より、「いつもの飲み物を合図に作業を一度止める」という発想も持っておきたいところです。
だからこそ、今日から新しい健康法をたくさん始める必要はありません。
水を取りに行くときに席を立つ。お茶をひと口飲むときに画面から目を離す。
まずはそれくらいで十分です。
セルフケアは、立派なことを一度やるより、毎日の中で無理なく繰り返せることをひとつ見つけるほうが続けやすいものです。
まとめ
眼精疲労が気になる仕事中の飲み物は、第一候補を水、次に無糖飲料と考えるとシンプルです。
せん茶や抹茶、ココアなどに目と関係する栄養素が含まれていても、「含まれている=飲めば眼精疲労が改善する」ではありません。
野菜系飲料や青汁なども、食事そのものをすべて置き換えるものではなく、必要に応じて食生活を補助する選択肢として考えてみましょう。
コーヒーやエナジードリンクについても、「眠気を感じること」と「眼精疲労があること」を分けて考えることがポイントです。目の負担そのものが続いているなら、カフェインを増やすより先に休憩が必要な場合があります。
そして、飲み物選び以上に見逃したくないのが、長時間の画面作業を中断することです。
一杯を、目を休ませる合図にする。
これなら特別な道具も、新しい習慣をいくつも増やす必要もありません。
まずは今日、水やお茶を飲むときだけ、パソコンやスマートフォンから目を離してみませんか。
改善の第一歩は、大きくなくて大丈夫です。いつもの一杯に、小さな休憩をひとつ足すところから始めてみましょう。
よくある質問
眼精疲労に一番おすすめの飲み物は何ですか?
眼精疲労を改善すると断定できる「一番効く飲み物」はありません。
仕事中の水分補給なら、まず水を第一候補にし、次に無糖のお茶などを選ぶと分かりやすいでしょう。飲み物だけでなく、画面から離れる休止も一緒に意識することが大切です。
ビタミンやルテイン入りの飲み物なら眼精疲労に効きますか?
栄養素が含まれていることと、その飲み物を飲むことで眼精疲労が改善することは同じではありません。
「どんな成分が含まれているか」と「今感じている眼精疲労にどう対処するか」を分け、飲み物だけに頼らず、食事全体と目の使い方を一緒に見直してみてください。
コンビニでは何を選べばいいですか?
迷ったら水か無糖飲料がシンプルです。
食事が偏った日は野菜系飲料などを補助的に考え、栄養系ドリンクやエナジードリンクを選ぶ場合は、糖分やカフェインなどの成分表示も確認しましょう。
コーヒーは眼精疲労のときに飲まないほうがいいですか?
コーヒーを一律に避ける必要があるとは言えません。ただし、カフェインを取ることと、眼精疲労の原因へ対処することは分けて考えましょう。
「眠いから飲みたい」のか、「目が疲れているから何とかしたい」のかを整理すると、自分に必要な行動を選びやすくなります。
野菜ジュースや青汁は目の疲れ対策になりますか?
食事が乱れたときの補助として利用する考え方はありますが、飲めば眼精疲労が改善すると単純には言えません。
商品によって原材料や栄養成分も異なるため、成分表示を確認しながら、普段の食事の補助として考えるのが分かりやすいでしょう。
飲み物を変えても目の疲れが取れない場合はどうすればいいですか?
眼精疲労には、目の使い方、屈折や調節、乾燥、長時間の近距離作業など、飲み物とは別の要因が関係することがあります。
休憩しても症状が続く場合や、見え方の変化など気になる症状がある場合は、「もっと目によい飲み物を探そう」と続けるのではなく、眼科へ相談してください。
参考
- 日本眼科医会「屈折異常と眼精疲労」
- 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
- Happiness Direct「【管理栄養士執筆】目の疲れ解消に摂りたい栄養素と食べ物・飲み物はコレ!とっておきレシピ3つを紹介」
- EPARKくすりの窓口 薬剤師による目の疲れと栄養に関する解説
