目の疲れと肩こりは、長時間の画面作業や姿勢、見え方の問題など、共通する負担が重なることで同時に起こる場合があります。
「目が疲れると肩までこる」「夕方になると目の奥が重く、首や肩もガチガチになる」という人は、目だけでなく、普段の作業環境や身体の使い方も見直してみましょう。
2026年3月27日、Happiness Directは「眼精疲労からくる肩こりを即席マッサージ・ストレッチ・ツボ押しで対策!座ったままできる6選」を公開しました。
後頭部のケアや肩甲骨ストレッチ、風池への刺激に加え、睡眠・入浴・食生活まで幅広い対策が紹介されています。
ただし、目の疲れが必ず肩こりを引き起こすわけではなく、肩こりの原因が目以外にある場合もあります。
この記事では、目の疲れと肩こりが一緒に起こる理由から、仕事中にできる6つのセルフケア、繰り返す場合の対処法まで、分かりやすく整理していきます。
目の疲れと肩こりはなぜ一緒に起こる?眼精疲労との関係
目の疲れと肩こりが同時に起こる主な理由は、近くを見続けることによる目の負担と、同じ姿勢を保つことによる首や肩への負担が重なりやすいためです。
特にパソコンやスマートフォンを長時間使用する人は、目と身体の両方に負担がかかっている可能性があります。
ただし、目が疲れているから必ず肩がこるわけではありません。
「目が原因で肩がこる」と決めつけるより、目と首・肩に共通する負担がないかを確認することが大切です。

眼精疲労では肩こりや頭痛も起こることがある
眼精疲労というと、「目がしょぼしょぼする」「目の奥が重い」といった症状を思い浮かべるかもしれません。
しかし、眼精疲労では目の痛みやかすみだけでなく、肩こり、頭痛、吐き気など、身体にも症状が現れることがあります。
日本眼科医会でも、パソコンなどで目を酷使した場合、目の疲れとともに首や肩のこり、頭痛などが起こることがあると説明されています。
ここで知っておきたいのが、「疲れ目」と「眼精疲労」は、必ずしも同じ状態ではないということです。
一般的に、一時的な疲れ目は休息や睡眠によって軽くなることがあります。
一方、眼精疲労では十分に休んでも症状が回復しにくく、目以外の身体症状が続く場合があります。
例えば、仕事が終わると目が重くなるものの、翌朝にはすっきりしている場合。
反対に、休日に画面を見ないようにしても目の奥の痛みや肩こりが続く場合では、考えたい対処法が異なります。
もちろん、症状の経過だけで眼精疲労かどうかを診断することはできません。
ただ、休息後にどの程度回復するかは、眼科への相談を考えるうえで大切な判断材料になります。
ここで覚えておきたいのは、「眼精疲労だけが肩こりの原因」と決めつけないことです。
目が疲れる状況では、同時に首や肩へ負担がかかる姿勢を続けている場合もあります。
近くを見続けると目のピント調節に負担がかかる
Happiness Directの記事では、近くを長時間見続けることで、ピント調節に関わる「毛様体筋」に負担がかかることが紹介されています。
毛様体筋とは、目の中でピントを合わせる働きに関わる筋肉です。
遠くの景色を見るときと、手元のスマートフォンを見るときでは、目に求められるピント調節が異なります。
近くを見るときには、目の中にある水晶体の厚みを変える仕組みが働きます。
この調節に関わっているのが毛様体筋です。
パソコンやスマートフォンなど、近くのものを長時間見続ける生活では、目を使う時間が偏りやすくなります。
例えば、午前中にパソコンで資料を作り、昼休みにスマートフォンを見て、午後は細かい数字を確認する仕事を続けたとします。
本人は仕事内容を変えているつもりでも、目にとっては近くを見る作業が続いている状態です。
ただし、毛様体筋の負担がそのまま肩の筋肉へ伝わる、という単純な仕組みではありません。
目の使い方と身体の姿勢が重なることで、目と肩の両方につらさが現れる可能性があると考えると分かりやすいでしょう。
目が疲れる姿勢は首や肩にも負担をかけやすい
パソコンやスマートフォンを長時間使っていると、知らないうちに頭が前へ出たり、肩に力が入ったりすることがあります。
例えば、次のような状態です。
- 近くの画面を長時間見続けている
- 画面へ集中し、まばたきが少なくなっている
- 同じ姿勢を長く保っている
- 文字を見ようとして顔を画面へ近づけている
- マウスやキーボードの操作中に肩へ力が入っている
- 眼鏡やコンタクトレンズの見え方が合っていない
夕方になると「目の奥が重い」「肩もガチガチ」という状態になる人がいたとします。
この場合、目だけが疲れているのではなく、朝から何時間も近くを見続け、腕を前へ出した姿勢を保ち、知らないうちに肩へ力を入れていることも考えられます。
厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」でも、情報機器作業では目だけでなく、首や肩など身体への負担も含めて作業環境を考えています。
私は、この「目と肩を別々に考えすぎない」という視点がとても大切だと考えています。
肩を揉んで一時的に楽になっても、その直後から同じ姿勢で画面を見続ければ、また負担が積み重なるかもしれません。
反対に、画面から離れるタイミングで姿勢も変えれば、ひとつの休憩で目と身体の両方を休ませるきっかけになります。
「目が疲れたから目だけ」「肩がこったから肩だけ」ではなく、画面を見ている時間そのものをひとまとまりとして考えてみましょう。
目の疲れと肩こりが同時に出やすい人の特徴
目と肩のつらさが重なりやすいのは、必ずしも長時間パソコンを使う人だけではありません。
例えば、こんな生活にも共通する負担があります。
- デスクワークで一日中モニターを見ている
- スマートフォンを下向きで長時間操作している
- 細かい文字を読む仕事をしている
- 手元を見ながら細かい作業を続けている
- 仕事でも私生活でも近くの画面を見る時間が長い
特に見落としやすいのが、仕事以外の時間です。
仕事でパソコンを使い、休憩中にスマートフォンを見て、帰宅後は動画を見る。
本人はそれぞれ別の活動をしているつもりでも、目にとっては近くのものを見る時間が続いているかもしれません。
また、画面を見ていない時間でも、読書や手芸、細かい手作業など、近くに視線を集中させる活動はあります。
つまり、確認したいのは単なるスマートフォンの使用時間ではなく、近くを見続ける時間と、同じ姿勢で過ごす時間です。
ここで一度、「今日、画面を見ずに過ごした時間はどのくらいあったかな?」と振り返ってみるのもよいですね。
目の疲れと肩こりに加えて頭痛が起こるのはなぜ?
目の疲れと肩こりに加えて、頭が重い、締めつけられるような頭痛がすると感じる人もいるでしょう。
長時間の画面作業では、目への負担と首・肩の筋肉の緊張が重なり、頭痛を伴うことがあります。
ただし、頭痛には緊張型頭痛や片頭痛など複数の種類があり、目の疲れだけが原因とは限りません。
特に、いつもと違う強い頭痛や突然起こった激しい頭痛を、単なる肩こりや眼精疲労と考えるのは危険です。
目の疲れ、肩こり、頭痛が同時に現れる場合ほど、それぞれの症状をひとまとめにせず、強さや起こり方を確認しましょう。
目の疲れと肩こりを楽にするには?まず画面作業を1時間以内で区切ろう
目の疲れと肩こりを一緒にケアするなら、最初に見直したいのは画面を見続ける時間です。
マッサージやストレッチを増やす前に、目と身体へ負担がかかり続ける時間を途中で区切ることを考えてみましょう。
特にデスクワークでは、休憩を取ることと作業環境を整えることを組み合わせるのがポイントです。

1時間を超えない作業と10〜15分の休止が目安
Happiness Directの記事では、パソコンやスマートフォンを使い続ける場合、1時間おきに1〜2分程度休息し、目を休める方法が紹介されています。
さらに、厚生労働省のガイドラインでは、情報機器作業について次のような考え方が示されています。
- 一連続作業時間が1時間を超えないようにする
- 次の連続作業までに10〜15分の作業休止時間を設ける
- 一連続作業時間内にも1〜2回程度の小休止を設ける
ここで注意したいのは、1〜2分の小休止だけで10〜15分の作業休止を置き換えるわけではないことです。
また、これらは情報機器作業に関する労働衛生上の目安であり、すべての人の症状がこの時間設定で改善するという意味ではありません。
それでも、仕事に集中すると何時間も休憩を忘れてしまう人にとっては、分かりやすい基準になります。
例えば、作業を始める前に「次はここで一度立ち上がろう」と決めておく方法があります。
仕事の内容によっては自由に休憩を取れない場合もありますが、可能な範囲で作業を区切る工夫をしてみましょう。
パソコンからスマートフォンへの切り替えは休憩になりにくい
ここでポイントになるのは、休憩は「仕事を止めること」だけではないということです。
パソコン作業を止めても、そのままスマートフォンでSNSや動画を見始めれば、近くの画面を見る状態そのものは続いてしまいます。
せっかく休憩するなら、次のように目と身体をまとめて休ませてみましょう。
- 画面から視線を外す
- 遠くを見る、または静かに目を閉じる
- 肩を上げてから力を抜く
- 座り続けていたら立ち上がる
- 再開するときに画面との距離を確認する
目の休憩と姿勢の変更をセットにするのがコツです。
全部やっても、大がかりな運動ではありません。
「休憩=別の画面を見る時間」から、「目と身体を画面作業からいったん離す時間」へ変える。
まずはそこからで十分です。
画面と目の距離は40cm以上を目安にする
画面を見る時間だけでなく、画面との距離や高さも確認してみましょう。
厚生労働省のガイドラインでは、ディスプレイについて次のような考え方が示されています。
- 眼からおおむね40cm以上の視距離を確保する
- 画面上端を眼の高さとほぼ同じ、またはやや下にする
- 画面の文字を無理なく読めるようにする
- 作業しやすい姿勢や環境を整える
ただし、40cmという数字だけを守ればよいわけではありません。
画面が遠すぎて文字を読むために前かがみになるなら、かえって首や肩へ負担がかかる可能性もあります。
画面との距離、文字サイズ、姿勢をまとめて調整することが大切です。
私なら、まず普段どおりに椅子へ座り、肩の力を抜いた状態で画面が見やすいか確認します。
その状態で文字が小さく感じるなら、顔を近づける前に文字サイズや表示倍率を見直してみます。
身体を画面へ合わせるだけでなく、画面を身体に合わせる。
そんな発想も、目と肩の負担を考えるうえで役立ちます。
モニターの高さや明るさも確認しよう
画面との距離が適切でも、モニターの位置や周囲の明るさによっては見づらさを感じることがあります。
例えば、画面が高すぎると、顔を上げた姿勢を長く保つことになるかもしれません。
反対に、ノートパソコンの画面が低すぎると、顔を下へ向け続ける姿勢になりやすくなります。
また、窓や照明が画面に映り込むと、文字が見づらくなる場合があります。
そんなときは、次の点を確認してみましょう。
- 画面を見るために首を大きく曲げていないか
- 肩をすくめたままキーボードを操作していないか
- 画面に照明や窓の光が映り込んでいないか
- 文字の大きさや表示倍率は適切か
- 画面が明るすぎたり暗すぎたりしないか
ここで重要なのは、理想的な姿勢を一度作って終わりにしないことです。
どれほど作業環境を整えても、同じ姿勢を長時間続ければ負担が積み重なる可能性があります。
見やすい環境を整えることと、定期的に姿勢を変えることはセットで考えたいですね。
休憩を忘れやすい人は「疲れてから休む」をやめる
もうひとつ意識したいのが、休憩するタイミングです。
目が重くなり、肩がパンパンになってから「そろそろ休もう」と考えていると、忙しい日はそのまま作業を続けてしまいがちです。
そこで、疲れの強さではなく時間を休憩の合図にする方法があります。
「つらくなったら休む」ではなく、「1時間を超える前にいったん区切る」と決めておけば、症状の有無にかかわらず作業を中断するきっかけを作れます。
個人的には、ここが眼精疲労と肩こり対策で見落とされやすいポイントだと思っています。
セルフケアというと「疲れたあとに何をするか」に目が向きますが、疲れが積み重なり続ける時間を途中で切ることも大切なセルフケアです。
例えば、作業開始時に休憩のタイミングを決めておく、仕事の区切りで立ち上がるなど、普段の行動に結びつけると取り入れやすくなります。
目の疲れと肩こりにおすすめのセルフケア6選|座ったままでもできる方法
目の疲れと肩こりが気になるときは、強く揉むことより、画面から離れて身体に入っている余計な力を抜くことから始めてみましょう。
Happiness Directの記事では、座ったままでできる方法として、目の周囲へのマッサージ、後頭部マッサージ、目を動かす方法、肩甲骨ストレッチ、風池などへの刺激が取り上げられています。
ここでは、紹介されているケアを参考にしながら、日常生活に取り入れやすい6つの方法を整理します。
すべてを実践する必要はありません。痛みや違和感がない範囲で、自分に合いそうなものから試してみましょう。
① 肩を約3秒上げて、ストンと力を抜く

Happiness Directが紹介している肩甲骨ストレッチでは、両肩をすくめるように持ち上げ、約3秒保ったあと、ストンと落とします。
やり方はシンプルです。
- 椅子に楽な姿勢で座る
- 両肩を耳へ近づけるようにゆっくり持ち上げる
- 約3秒その状態を保つ
- 息を止めず、肩の力をストンと抜く
- 無理のない範囲で繰り返す
パソコン作業では、マウスやキーボードを操作するために腕を前へ出し、気づかないうちに肩へ力が入っていることがあります。
一度肩を上げてから脱力すると、「こんなに肩へ力が入っていたんだ」と気づくきっかけにもなります。
ここで大切なのは、大きく動かすことではありません。
肩に力が入っていることに気づき、いったん抜く。
それだけでも仕事の途中に取り入れやすいでしょう。
痛みを我慢して動かしたり、勢いをつけて首を大きく回したりする必要はありません。違和感や痛みが出る動きは中止しましょう。
② 後頭部や首の付け根をやさしくケアする
Happiness Directの記事では、首の付け根寄りの後頭部に指を当てて動かす方法も紹介されています。
長時間画面を見ていると、顔が前へ出た姿勢が続き、首の後ろに負担がかかることがあります。
そのため、目が疲れたと感じるタイミングで、後頭部や首の付け根の緊張にも意識を向けてみましょう。
ただし、「強く揉めば早く楽になる」と考える必要はありません。
指の腹でやさしく触れ、痛みや不快感が出ない程度にとどめます。
首の骨を強く押したり、頭を無理に反らせたりすることは避けましょう。
特に、首に痛みがある場合や、しびれ、めまいなどを伴う場合は、マッサージを控えて医療機関に相談してください。
私なら、マッサージそのものより、首を動かさずに画面を見続けていた状態から離れることも大切にします。
首の付け根がつらいときほど、刺激を増やす前に姿勢を変えることを意識したいですね。
③ 風池などのツボを刺激するときは力加減に注意する
Happiness Directの記事では、「風池」と呼ばれる場所への刺激も紹介されています。
風池は、後頭部の髪の生え際付近で、首の太い筋肉の外側にあるくぼみあたりです。
目の疲れや肩こりのセルフケアとして紹介されることがありますが、ツボ押しだけで眼精疲労や肩こりの原因が解消されるわけではありません。
また、ツボ押しによる症状改善の効果は、原因や症状によって異なり、十分に確認されていない部分もあります。
ここで「強く押したほうが効きそう」と考えなくて大丈夫です。
指の腹を使い、痛みを我慢しない程度の刺激にとどめましょう。
首には大切な血管や神経が通っています。首の前側や側面を強く押したり、長時間圧迫したりすることは避けてください。
私は、ツボを正確に探し当てることより、画面から手と目を離すきっかけにすることにも意味があると考えています。
場所探しに夢中になって強く押すより、「そろそろ休もう」と身体の緊張をほどく合図にするくらいが、毎日の習慣には取り入れやすいでしょう。
④ 目を動かす前に、まず画面から視線を外す
Happiness Directの記事では、目を動かす方法も紹介されています。
ただし、目が疲れているときに無理に眼球を大きく動かしたり、痛みが出るまで運動したりする必要はありません。
まずは画面から視線を外し、遠くの景色を見る、または静かに目を閉じることから始めましょう。
近くの画面を見続けていた状態をいったん中断することが目的です。
例えば、パソコン作業の途中で窓の外に目を向け、遠くの建物や景色を眺めてみる方法があります。
窓がない場所なら、室内のできるだけ遠いところへ視線を移すだけでも、近くの画面を見続ける状態から離れるきっかけになります。
目を動かす場合も、無理のない範囲でゆっくり行い、痛みやめまい、見え方の異常が出る場合は中止してください。
なお、目を動かす運動そのものに、眼精疲労の原因を解消する効果があるとは限りません。
目を動かすことそのものより、近くの画面を見続ける状態を区切ること。
この順番で考えると、余計な頑張りを増やさずに済みます。
⑤ 目の周囲をケアするときは眼球を強く押さない
目が重いと、目頭やまぶたの上からギュッと押したくなることがあります。
しかし、セルフケアで眼球そのものを強く押すことは避けましょう。
目の周囲へのマッサージが紹介されていても、眼球に圧力を加えてよいという意味ではありません。
私なら、目の周囲を積極的に刺激するより先に、次の順番にします。
- 画面を見る作業を中断する
- 視線を外す、または目を閉じる
- 姿勢を変える
- 肩の力を抜く
疲れた場所へ強い刺激を加えることがセルフケアの目的ではありません。
まず負担そのものを中断する。この順番なら、仕事の合間にも取り入れやすいですね。
また、画面に集中していると、まばたきの回数が少なくなることがあります。
目の乾きが気になる場合は、意識して自然なまばたきをすることや、画面から視線を外すことも考えてみましょう。
ただし、目の乾燥が続く場合は、ドライアイなどが関係している可能性もあります。
目に痛みや充血がある場合、目の病気や手術後などで注意が必要な場合は、自己判断で目の周囲を刺激しないようにしましょう。
⑥ 肩甲骨を意識して同じ姿勢から離れる
肩を上げて力を抜く動きに慣れてきたら、肩甲骨まわりにも意識を向けてみましょう。
例えば、椅子に座ったまま背中を軽く伸ばし、肩を無理なく後ろへ動かしてから力を抜きます。
大切なのは、肩甲骨を大きく動かすことよりも、同じ姿勢を続けないことです。
腕を前へ出している時間が長い人は、作業の合間に腕を下ろすだけでも姿勢を変えるきっかけになります。
ここでも、痛みを我慢する必要はありません。
「気持ちいい」と「強く押す」は別に考えましょう。
肩や後頭部がつらいと、つい刺激を強くしたくなるものです。
けれど、セルフケアは我慢比べではありません。強い刺激ほどよいと考えず、痛みや違和感がない範囲で行うことを基本にしましょう。
特に首まわりは、勢いよく大きく動かすのではなく、まず肩を下ろしたり姿勢を変えたりするような小さな動きから始めるほうが取り入れやすいでしょう。
マッサージとストレッチ、どちらを優先する?
目の疲れと肩こりが同時につらいとき、マッサージとストレッチのどちらがよいのか迷う人もいるでしょう。
私は、どちらかを選ぶ前に、今の負担がどこから来ているのかを確認することが大切だと考えています。
気になる状態 最初に見直したいこと
長時間画面を見続けている 画面から離れる休憩
肩に力が入り続けている 肩を上げて脱力する
同じ姿勢が長く続いている 立ち上がる、姿勢を変える
画面に顔を近づけている 文字サイズ、画面距離、見え方
目のかすみや痛みが続いている 眼科で原因を確認する
マッサージやストレッチは、負担を感じたときの選択肢のひとつです。
ただし、眼鏡の度数が合っていない、ドライアイがあるなど、別の原因が関係している場合には、それだけで対応できないこともあります。
「今つらい場所へのケア」と「負担が続く原因への対策」を分けて考えることが、繰り返す目の疲れと肩こりを見直すポイントです。
仕事中に取り入れるなら「1分間のリセット」から
6つの方法を紹介しましたが、忙しい仕事中にすべて実践するのは難しいかもしれません。
そんなときは、短い小休止の中でできることを組み合わせてみましょう。
例えば、次のような流れです。
- 最初にパソコンから視線を外す
- 遠くを見るか、静かに目を閉じる
- 両肩を約3秒持ち上げて力を抜く
- 腕を下ろし、肩甲骨まわりの緊張をほどく
- 再び画面を見る前に姿勢と距離を確認する
これは特別な治療法ではなく、日常の小休止を使いやすくするための実践例です。
また、1分程度の小休止だけで、必要な作業休止時間をすべて置き換えられるわけではありません。
私としては、難しい方法を一度だけ頑張るより、無理のない休憩を普段の生活に組み込むことをおすすめしたいですね。
睡眠・入浴・食事は目の疲れと肩こり対策になる?
睡眠・入浴・食事は、目の疲れや肩こりを考えるうえで大切な生活習慣ですが、それだけで眼精疲労や肩こりの原因が解消されるとは限りません。
Happiness Directの記事でも、マッサージやストレッチだけでなく、睡眠、入浴、食生活について取り上げています。
日常生活の土台を整える方法のひとつとして考えてみましょう。
睡眠をとっても続くなら「ただの疲れ目」と決めつけない
一時的な目の疲れなら、目を休めたり睡眠をとったりすることで軽くなることがあります。
一方、日本眼科医会では、眼精疲労について、目を使う仕事を続けることによって目や全身に症状が現れ、休息や睡眠をとっても十分に回復しない状態として説明しています。
つまり、「寝れば戻るから大丈夫」とは限りません。
十分に休んでも目の痛みやかすみなどが続く場合は、セルフケアを増やすより、原因を確認することが大切です。
「疲れ目」と「眼精疲労」を何となく同じ意味で使っている人も多いかもしれません。
しかし、休んだあとに症状が軽くなるかどうかは、次の行動を考えるひとつの目安になります。
また、睡眠時間だけでなく、寝る直前までスマートフォンを見続けていないかも振り返ってみましょう。
睡眠をとるための時間を確保していても、寝る直前まで近くの画面を見続けているなら、目を休ませる時間は短くなっているかもしれません。
睡眠不足が続いている場合は、生活全体の疲労感にも目を向けてみましょう。
ただし、睡眠を改善すればすべての眼精疲労が解消するというわけではありません。
十分な睡眠をとっても症状が続く場合には、見え方や目の病気など、別の原因を確認する必要があります。
入浴は「肩を揉む時間」より「画面から離れる時間」に
Happiness Directの記事では、熱すぎない湯船につかる方法も紹介されています。
ここでも、「お風呂に入ったら肩を一生懸命揉まなくては」と考える必要はないでしょう。
仕事中ずっと入っていた肩の力を抜き、スマートフォンからも離れて静かに過ごす。
個人的には、入浴を「何かをする時間」ではなく、何もしない休憩時間に変えるという考え方もよいと思っています。
仕事でパソコンを使い、移動中にスマートフォンを見て、帰宅後も動画を見る。
そんな一日では、目が近くの情報から離れる時間が思っている以上に少なくなります。
だからこそ、入浴時間まで「情報を見る時間」にしないという小さな工夫も、生活全体を見直すきっかけになります。
また、入浴中に首や肩を無理に揉んだり、大きく回したりする必要はありません。
温かいお湯で身体を休めながら、普段どれほど肩に力が入っていたかを感じてみる程度でもよいでしょう。
なお、入浴は熱すぎるお湯や長湯を避け、体調に合わせて無理なく行いましょう。
目に強い痛みや強い充血、急な見え方の変化などがある場合は、自己判断で温めたりマッサージしたりせず、医療機関への相談を優先してください。
食事はビタミンA・B群・Eだけに頼らない
Happiness Directの記事では、ビタミンA、B群、Eなどの栄養素についても紹介されています。
これらは身体の健康を維持するうえで大切な栄養素ですが、「この栄養素を食べれば眼精疲労や肩こりがよくなる」という単純な話ではありません。
例えば、ビタミンAは視覚の正常な働きに関係し、ビタミンB群はエネルギー代謝などに関わります。
ビタミンEには抗酸化作用があります。
それぞれの栄養素を含む身近な食品には、次のようなものがあります。
栄養素 主な働き 含まれる食品の例
ビタミンA 視覚や皮膚・粘膜の健康維持に関わる にんじん、ほうれん草、卵など
ビタミンB群 エネルギー代謝などに関わる 豚肉、魚、卵、豆類など
ビタミンE 抗酸化作用を持つ ナッツ類、植物油など
ただし、それぞれの栄養素に役割があることと、サプリメントなどを追加すれば目の疲れや肩こりが改善することは別です。
主食・主菜・副菜を意識しながら、極端に偏らない食生活を土台にすることが基本です。
何時間も画面を見続けながら食品やサプリメントだけで何とかしようとするより、作業時間・姿勢・見え方・休息・生活習慣をまとめて確認するほうが、原因を整理しやすくなります。
健康情報を調べていると、どうしても「何を食べればいいのか」「何を飲めばいいのか」という答えを探したくなります。
けれど、眼精疲労と肩こりの場合は、何かを足すことだけではなく、長すぎる画面時間を減らすという引き算にも目を向けてみたいところです。
特定の栄養素を大量に摂取することは避け、サプリメントを利用する場合も過剰摂取に注意しましょう。
特に脂溶性のビタミンAやEは、過剰摂取による健康への影響にも注意が必要です。
普段の食事で十分に栄養がとれている場合、目の疲れや肩こりのために特定のサプリメントを追加する必要があるとは限りません。
目の疲れと肩こりが治まらないのはなぜ?見え方と受診の目安
休憩やストレッチを取り入れても目の疲れと肩こりが繰り返す場合は、視力や眼鏡の状態、ドライアイなども確認することが大切です。
セルフケアを強くするのではなく、なぜ負担が続いているのかを確認する段階へ切り替えましょう。
目と肩が同時につらくても、原因がひとつとは限りません。

眼鏡やコンタクトレンズが合っていない可能性
眼精疲労には長時間の画面作業だけでなく、眼鏡やコンタクトレンズの状態、遠視や老視、ドライアイなどが関係する場合があります。
日本眼科医会では、遠視の場合、遠くを見る際にもピント合わせの努力が必要になり、目の奥の痛みや肩こりを感じる人がいることも説明しています。
ここは意外と見落としやすいところです。
「文字は読めている」ことと「目に負担の少ない状態で見えている」ことは、必ずしも同じではありません。
特に近くの見え方が変化してきたと感じる年代では、次のような変化にも目を向けてみましょう。
- 夕方になると文字が見づらい
- 以前より画面へ顔を近づけている
- 文字サイズを小さく感じるようになった
- 眼鏡を長期間見直していない
- 画面を見ていると目が乾きやすい
- 近くのものを見ると目の奥が重くなる
見えにくい画面を無意識にのぞき込めば、顔が前へ出る姿勢にもつながります。
ここが、目と肩を一緒に考えるうえで重要なポイントです。
つまり、見え方の問題が目だけで終わらず、画面へ近づく姿勢を通して首や肩への負担にもつながる可能性があるわけです。
「肩を揉んでもまた戻る」という場合、肩だけを見るのではなく、「最近、画面へ顔を近づけていないかな?」と振り返ってみると、別のヒントが見つかるかもしれません。
ドライアイや老視などが関係する場合もある
目の疲れが続くときは、近くを見続けること以外にも原因がないか考えてみましょう。
例えば、ドライアイでは目の乾きや不快感、かすみなどが現れることがあります。
また、年齢とともに近くのものが見えにくくなる老視が関係している場合もあります。
こうした状態では、見えにくさを補おうとして画面へ顔を近づけたり、無理な姿勢を続けたりする可能性があります。
特に老視では、遠くは見えていても、手元の文字やパソコン画面が見づらくなることがあります。
そのため、日常生活では問題なく見えているつもりでも、仕事中だけ目が疲れやすくなる場合があります。
また、スマートフォンとパソコンでは、目から画面までの距離が異なります。
普段使っている眼鏡が、すべての作業距離に適しているとは限りません。
ただし、目の乾きやかすみがあるからといって、必ずドライアイや老視だとは限りません。
症状が続く場合は眼科で確認しましょう。
目と肩が同時につらいというだけで、すべてを「眼精疲労のせい」と結びつけないことも大切です。
肩こりの原因が目とは別にあることも
肩こりには、目の疲れとは別の原因が隠れていることもあります。
長時間の同じ姿勢や身体への負担だけでなく、首や肩そのものの問題などが関係している場合もあるためです。
例えば、目を休めると目の重さは軽くなるのに、首や肩の痛みだけが続く場合。
このようなときは、目の疲れだけを原因として考えず、首や肩の状態にも目を向ける必要があります。
また、肩こりと感じていても、実際には首の関節や神経などが関係する痛みの場合もあります。
肩こりに加えて腕のしびれや力の入りにくさがある場合、痛みが強い場合などは、医療機関で相談しましょう。
目と肩が同時につらいことと、原因が必ずひとつであることは別です。
ここを分けて考えると、必要な対処を選びやすくなります。
目の疲れと肩こりは何科を受診すればいい?
目の疲れと肩こりが同時にある場合、目の痛み・かすみ・見えにくさなどが中心なら、まず眼科への相談が考えられます。
一方、首や肩の痛みが中心で、腕のしびれや動かしにくさなどがある場合は、整形外科などでの確認が必要になることがあります。
受診先を考えるときは、次のように症状を整理してみましょう。
主な症状 相談先の目安
目の痛み、かすみ、見えにくさ 眼科
眼鏡が合わない感じ、近くの見えにくさ 眼科
首や肩の痛みが続く 整形外科など
腕のしびれ、力の入りにくさ 速やかに医療機関へ相談
急な視力低下、強い目の痛み 速やかに眼科などを受診
突然の激しい頭痛や麻痺 救急対応
これはあくまで一般的な目安です。
症状が複数重なっている場合や、どこを受診すればよいか迷う場合は、医療機関に症状を伝えて相談しましょう。
セルフケアを続けるか、眼科へ相談するかの目安
「どのくらいなら自分で様子を見てもいいの?」と迷う人もいるでしょう。
大切なのは、症状の強さだけではなく、休息をとったあとにどうなるか、同じ症状を何度も繰り返していないかを見ることです。
画面から離れたり睡眠をとったりして軽くなる一時的な疲れなら、作業環境や休憩方法を見直すきっかけにできます。
一方、十分休んでも目の痛みやかすみなどが続く、見え方そのものが変わってきたという場合は、「もっと強いマッサージを試そう」と考えるより、眼科で相談する選択肢があります。
特に、次のような場合は注意が必要です。
- 急に見えにくくなった
- 強い目の痛みがある
- 強い充血がある
- 視野の一部が欠ける、急な見え方の異常がある
- 強い頭痛や吐き気を伴う
- 首や肩の痛みに腕のしびれや脱力を伴う
急な視力低下や強い目の痛みなどは、日常的な眼精疲労と自己判断せず、速やかに医療機関へ相談してください。
突然の激しい頭痛、片側の手足の麻痺、言葉が出にくいなどの症状がある場合は、救急対応が必要です。
セルフケアは、原因を確認するための診察に代わるものではありません。
目の疲れと肩こりを繰り返さないために|今日から始める3ステップ
目の疲れと肩こりを繰り返さないためには、「休む・動く・確認する」の3つを日常生活に取り入れることから始めましょう。
いろいろな方法を紹介してきましたが、毎日すべて実践する必要はありません。
私なら、この3ステップに絞ります。
1.休む:画面作業を1時間以内で区切る
厚生労働省のガイドラインを参考に、一連続作業時間が1時間を超えないよう意識し、途中にも小休止を入れます。
休憩したら、パソコンからスマートフォンへ移るのではなく、いったん画面そのものから視線を外してみます。
「まだ疲れていないから大丈夫」と考えず、作業時間を基準に休むことがポイントです。
例えば、仕事の開始時に休憩のタイミングを決めておく方法があります。
会議や電話対応などで予定どおりに休めない日もあるでしょう。
そんなときは、作業の区切りで一度立ち上がるなど、実行できる方法を探してみましょう。
2.動く:休憩したら同じ姿勢から離れる
遠くを見る、目を閉じる、肩の力を抜く、立ち上がる。
難しいストレッチを覚えなくても、同じ姿勢をいったん終わらせるだけなら仕事中でも実践しやすいでしょう。
パソコンからスマートフォンへ移るだけではなく、目と身体の両方をいったん情報機器から離してみます。
肩を約3秒上げてから力を抜く方法も、無理のない範囲で取り入れられます。
また、肩の力を抜くときは、腕や手の位置にも目を向けてみましょう。
キーボードやマウスに手を置いたままだと、無意識に腕や肩の緊張が続いていることがあります。
休憩中は一度手を離し、腕を自然に下ろしてみるのもよいですね。
3.確認する:休んでも繰り返すなら見え方をチェックする
眼鏡やコンタクトレンズ、遠視や老視、ドライアイなどが関係していないかを考え、必要に応じて眼科で相談します。
私は、眼精疲労と肩こり対策で大切なのは、「疲れた場所をどう揉むか」だけでなく「疲れが積み重なる時間をどう減らすか」まで考えることだと思っています。
これは少し地味ですが、セルフケアを考えるうえで大事な違いです。
肩を5分揉んだとしても、そのあと3時間ほとんど姿勢を変えずに画面を見続ければ、また同じ負担が積み重なる可能性があります。
それなら、仕事の途中に短くても画面から離れる時間をつくり、そのたびに肩を下ろしたり立ち上がったりするほうが、普段の行動そのものを見直せます。
目の疲れと肩こりが出る時間を記録してみる
ここで、もうひとつおすすめしたい方法があります。
それは、「どんなケアをしたか」だけでなく「いつ、どんな状況で疲れたか」を確認することです。
例えば、次のようなことを簡単に振り返ってみます。
- 午前中は平気なのに夕方になると目が重い
- 会議が続いた日は肩こりが強い
- スマートフォンを長く見た翌日は首がつらい
- 休憩を忘れた日に目と肩の両方が疲れる
- 文字が小さい画面を見ると顔を近づけてしまう
これらは原因を診断するためのものではありません。
自分の生活の中で、負担が重なりやすい場面を見つけるためのヒントです。
例えば、「夕方になると目が疲れる」と感じていても、実際には午後の特定の作業中に肩へ力が入り続けているかもしれません。
「スマートフォンを使ったあとに首がつらい」と分かれば、使う時間や姿勢を見直すきっかけになります。
個人的には、セルフケアには「症状を何とかする」だけでなく、自分の疲れ方に気づく役割もあると考えています。
「午後になると画面へ近づいているな」「休憩を忘れた日に肩がつらいな」と気づければ、次に見直す場所が少しずつ見えてきます。
目と肩の疲れ方を分けて記録すると原因を整理しやすい
ここでもう少し工夫するなら、目の疲れと肩こりを別々に記録してみましょう。
例えば、仕事が終わったときに次のような項目を簡単に確認します。
確認する項目 記録の例
目の疲れ 軽い・普通・強い
肩こり 軽い・普通・強い
つらくなった時間 午前・午後・夕方
直前の作業 パソコン・スマートフォン・細かい作業
休憩の状況 取れた・あまり取れなかった
休息後の変化 軽くなった・変わらない・悪化した
毎日細かく書く必要はありません。
気になった日だけ、短くメモする程度でも十分です。
この方法のよいところは、目と肩が本当に同じタイミングでつらくなっているのかを確認できることです。
例えば、目の疲れは画面作業のあとに強くなるのに、肩こりは朝から続いていると分かった場合。
この場合、目と肩の症状が必ずしも同じ原因から起こっているとは限らない、と考えるきっかけになります。
反対に、休憩を取れなかった日の夕方に両方の症状が強くなるなら、作業時間や姿勢を見直すヒントになるでしょう。
ただし、記録だけで原因を特定できるわけではありません。
症状が続く場合は、受診時に記録を伝えるための材料として活用してみてください。
セルフケアを「原因探しの邪魔」にしない
そして、もうひとつ大切なのがセルフケアを「原因探しの邪魔」にしないことです。
マッサージで一時的に楽になると、「これで大丈夫」と思ってしまうことがあります。
しかし、何度休んでも繰り返すなら、眼鏡の度数や目の状態など、別の要因を確認するサインかもしれません。
一時的に楽になることは、必ずしも原因が解消されたことを意味しません。
これは目の疲れや肩こりに限らず、日常的な不調を考えるうえで大切な視点だと思います。
「楽になったから終わり」ではなく、「どうすると楽になり、どんなときに繰り返すのか」にも目を向ける。
その積み重ねが、自分に合った対策を選ぶための判断材料になります。
「何をするか」より「いつするか」を決める
眼精疲労や肩こりのセルフケアは、方法をたくさん知っていても、忙しい日に忘れてしまえば続きません。
そこで私なら、「疲れたらストレッチする」ではなく、画面作業を区切ったら肩も休ませるというように、休憩とセルフケアをひとつの行動にまとめます。
目を休める時間と肩を休める時間を別々に作る必要はありません。
パソコンから離れたら、遠くを見る。そのまま肩を上げてストンと下ろす。座り続けていたら立ち上がる。
これなら、新しい健康習慣をいくつも増やすというより、今ある休憩の質を少し変えるだけです。
健康のために頑張ることを増やしすぎると、それ自体が負担になってしまいます。
まずは一つだけ。「次の休憩ではスマートフォンを見ず、肩の力も抜く」くらいから始めてみてはいかがでしょうか。
考察|目の疲れと肩こりは「ケアの回数」より「負担の続き方」に注目したい
ここまで、目の疲れと肩こりの関係、セルフケア、作業環境、受診の目安について紹介してきました。
私が特に大切だと感じるのは、「疲れたあとに何をするか」だけでなく、「疲れが積み重なる環境をどう変えるか」という視点です。
例えば、目が疲れたときに目薬やアイケア用品を使ったり、肩こりが気になるときにマッサージを受けたりする人もいるでしょう。
もちろん、こうした方法が一時的な不快感を和らげる助けになる場合はあります。
しかし、毎日同じ時間帯に目と肩がつらくなるなら、ケアの方法だけを増やしても、根本にある負担は変わらないかもしれません。
特に現代の生活では、仕事のパソコン、休憩中のスマートフォン、帰宅後の動画視聴など、近くの画面を見る時間がさまざまな場面に分かれています。
そのため、一つひとつの活動は短くても、一日全体では目を休める時間が少なくなっている可能性があります。
さらに、画面を見るために顔を近づける姿勢が習慣になっていれば、目の負担と首・肩の負担が同時に続くことも考えられます。
ここで私が注目したいのは、目と肩の症状を「同じ原因」と決めつけるのではなく、同じ生活場面で負担が重なっていないかを確認することです。
目の疲れと肩こりが同時に起こる理由は、人によって異なります。
画面作業の時間が長い人もいれば、眼鏡が合っていない人、首や肩そのものに問題がある人もいるでしょう。
だからこそ、誰にでも同じセルフケアをすすめるより、まず自分の生活の中で負担が増える場面を見つけることが大切だと考えています。
また、マッサージやツボ押しは、取り入れやすい反面、刺激を強くしすぎることにも注意が必要です。
「もっと強く押せば楽になるはず」と考えるのではなく、負担を中断することを優先したいですね。
今後もパソコンやスマートフォンを使う生活が続くなら、目の疲れと肩こりを完全に避けることだけを目標にするのは現実的ではないかもしれません。
それよりも、疲れが強くなる前に休憩を取り、見え方や作業環境を調整し、必要なときには医療機関で原因を確認する。
そんな小さな工夫を積み重ねるほうが、無理なく続けやすいのではないでしょうか。
特別な健康習慣を増やすことより、普段の生活を少しだけ快適にすること。
疲労改善研究所としては、そんな視点を大切にしていきたいと思っています。
まとめ|目の疲れと肩こりは「目・姿勢・見え方」を一緒に見直そう
2026年3月27日にHappiness Directが公開した記事では、眼精疲労に伴う肩こりへの対策として、後頭部マッサージ、肩甲骨ストレッチ、風池への刺激、睡眠、入浴、食生活など幅広い方法が紹介されました。
日本眼科医会や厚生労働省の情報も踏まえると、日常でまず意識したいのは、次の3ステップです。
- 休む: 画面作業を1時間以内で区切り、必要な作業休止と小休止を取る
- 動く: 同じ姿勢から離れ、肩の力を抜いたり立ち上がったりする
- 確認する: 症状が繰り返す場合は、眼鏡や見え方、目の状態を確認する
目の疲れと肩こりは、必ずしも別々の問題とは限りません。
長時間の近距離作業や姿勢など、共通する負担が関係している場合もあります。
だからといって、目と肩を別々に何とかしようと頑張りすぎなくても大丈夫です。
まず今日は、次の休憩で画面から離れ、遠くへ視線を移しながら肩をストンと下ろしてみませんか。
その小さな休憩を、「目を休ませる時間」であると同時に「身体の力を抜く時間」にしてみてください。
眼精疲労と肩こりの対策は、特別なケアを増やすことだけではありません。
目と肩に負担がかかり続ける時間を途中で区切ることも、大切な第一歩です。
一方、十分休んでも症状が続く場合や、急な見え方の変化、強い目の痛み・充血などがある場合は、「疲れているだけ」と自己判断せず、眼科などの医療機関へ相談しましょう。
よくある質問
目の疲れが原因で肩こりになることはありますか?
眼精疲労では、目の痛みやかすみなどに加えて、肩こりや頭痛など身体の症状が現れることがあります。
ただし、肩こりの原因を眼精疲労だけに限定せず、長時間の近距離作業や同じ姿勢など、目と肩に共通する負担も一緒に確認することが大切です。
目の疲れと肩こりが同時に起こるのはなぜですか?
長時間の画面作業では、近くを見続けることによる目の負担と、同じ姿勢を保つことによる首や肩への負担が重なりやすくなります。
また、画面が見えにくくて顔を近づけるなど、見え方の問題が姿勢に影響する場合もあります。
目の疲れからくる肩こりにはどんな特徴がありますか?
目の疲れと肩こりが同時に現れる場合、長時間のパソコン作業や細かい作業のあとに症状が強くなることがあります。
ただし、症状だけで肩こりの原因が目にあると判断することはできません。
目を休めても肩の痛みが続く場合などは、首や肩そのものの問題も考える必要があります。
目の疲れと肩こり対策では、どのくらいの間隔で休憩すればいいですか?
厚生労働省の情報機器作業ガイドラインでは、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までに10〜15分の作業休止時間を設け、一連続作業時間内にも1〜2回程度の小休止を設けることが示されています。
休憩中も別の画面を見続けるのではなく、視線を外したり姿勢を変えたりして、目と身体を画面作業から離す時間にするとよいでしょう。
目の疲れと肩こりにはマッサージとストレッチのどちらがいいですか?
どちらか一つを選ぶというより、まず画面作業を中断して姿勢を変えることから考えてみましょう。
Happiness Directの記事では後頭部へのマッサージや肩甲骨ストレッチ、風池への刺激などが紹介されていますが、強い刺激を加える必要はありません。
肩を約3秒上げてから力を抜くなど、無理のない方法から取り入れましょう。
目の疲れによる肩こりはツボを押せば楽になりますか?
Happiness Directの記事では風池などへの刺激が紹介されていますが、ツボ押しだけですべての原因に対応できるわけではありません。
画面を長時間見続けている、同じ姿勢が続いている、見え方が合っていないといった負担も一緒に確認することが大切です。
ツボを刺激するときも、痛みを我慢するほど強く押すことは避けましょう。
パソコンを休憩してスマートフォンを見るのは目の休憩になりますか?
パソコン作業を止めても、すぐスマートフォンで近くの画面を見続ければ、近距離を見る状態は続きます。
休憩ではいったん画面から視線を外し、遠くを見る、目を閉じる、立ち上がる、肩の力を抜くなど、情報機器そのものから離れる時間を作ってみましょう。
目の疲れと肩こりがひどいときは温めてもいいですか?
入浴などで身体を休ませることは、日常的なリラックス方法のひとつです。
ただし、温めれば眼精疲労や肩こりの原因が改善するとは限りません。
特に、強い目の痛みや充血、急な見え方の変化がある場合は、自己判断で温めたりマッサージしたりせず、医療機関へ相談してください。
目の疲れと肩こりが休んでも良くならないときはどうすればいいですか?
眼鏡やコンタクトレンズの状態、遠視や老視、ドライアイなど、長時間の画面作業以外の要因が関係している場合があります。
十分に休んでも繰り返す場合や見え方に変化がある場合は眼科へ相談しましょう。
急な見え方の変化や強い目の痛み・充血などがある場合は、セルフケアを続けるより医療機関への相談を優先してください。
目の疲れと肩こりは何科に行けばいいですか?
目の痛みやかすみ、見えにくさなどが中心なら眼科、首や肩の痛みが中心なら整形外科などが相談先として考えられます。
腕のしびれや脱力、突然の激しい頭痛などがある場合は、速やかな医療機関への相談や救急対応が必要です。
目の疲れと肩こりを予防するには何から始めればいいですか?
まずは、画面作業を1時間以内で区切り、休憩中に画面から視線を外すことから始めてみましょう。
そのタイミングで肩の力を抜いたり、立ち上がったりすると、目と身体の両方を休ませるきっかけになります。
休憩や姿勢の見直しをしても症状が続く場合は、見え方や目の状態も確認しましょう。
参考
- Happiness Direct「眼精疲労からくる肩こりを即席マッサージ・ストレッチ・ツボ押しで対策!座ったままできる6選」
- 日本眼科医会「眼精疲労」
- 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
